サマーナイトフェスティバル

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サマーナイトフェスティバル
概要
格付け GII
優勝賞金 1500万円
愛称 サマーナイト
概定番組 3日間トーナメント
開催地 持ち回り
開催時期 7月
歴史
初回開催 2005年
開催回数 19回(2023年)
初代優勝者 有坂直樹
最多優勝者 松浦悠士(3回)
直近優勝者 松浦悠士(2023年)
次回開催予定
次回開催 2024年7月13日-15日
次回開催地 松戸競輪場
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サマーナイトフェスティバルは、2005年度から行われている競輪のGII競走である。

概要[編集]

本大会は、ナイター競走を実施している競輪場函館青森いわき平宇都宮弥彦前橋西武園京王閣松戸川崎平塚伊東静岡豊橋名古屋松阪四日市奈良玉野松山高知小倉[注 1]久留米武雄佐世保別府[注 2]を舞台にした、3日間制レースである。2014年から2024年の期間中は併せてガールズケイリンフェスティバルも同時に開催される。

全国的なナイター競走の場外発売体制が整っていないため、一部の競輪場または場外車券売場においては車券の場外発売が行われない。また発売が行なわれても時間が限定される事もある[注 3]。なお電話投票などは金融機関が対応していればリアルタイムで投票可能となっている。

競輪では規程により、「4日間以上でGIII記念競輪)以上のグレードレースの開催は原則として1競輪場につき年間1節に限る」という取り決めがあるが、本大会に関しては3日間制のため記念競輪も同じ年度に開催することができる。なお、本大会が記念競輪と同じ4日間制となる第21回大会(2025年)以降の扱いは未定。

第21回大会より、ガールズケイリンフェスティバルが廃止される影響もあり、第9回大会以来12年ぶりに男子のみの開催に戻される。日程も3日間から4日制に変更される[1]

賞金[編集]

以下は、第20回大会(2024年)の決勝戦における各着順の賞金額[2]

1着 2着 3着 4着 5着 6着 7着 8着 9着
1,500万円 718万円 449万円 281.5万円 213.1万円 197.4万円 182.8万円 168.4万円 155.3万円

歴史[編集]

2005年及び2006年は9レース制だったが、2007年においては、国際競輪レース(両日とも1個レースずつ)を併催するため、両開催日とも10レース制で開催された。2014年から女子選手によるガールズケイリンフェスティバルも同時に開催されるようになり、2015年から3日制で開催されることになった。

新型コロナウイルス感染症の流行期に開催された第16回大会(2020年)、第17回大会(2021年)は、事前抽選による入場制限[3][注 4][注 5]が行われたが[4][5]、巣ごもり特需によるインターネット投票の増加により、目標を大きく上回る売り上げを達成した[6][7]。第16回大会の総売り上げ57億4570万8300円は、サマーナイトフェスティバルにおける過去最高の売り上げ記録となっている[8][9]

入場制限が撤廃された第18回大会(2022年)[注 6]、続く第19回大会(2023年)も、好調な売り上げを継続している[10][11][注 7]

出場選手選抜方法[編集]

サマーナイトフェスティバルの出場選手は、特別競輪・記念競輪・S級シリーズの優勝者が一堂に集結するように選抜される。毎回若干変更・修正されるものの、概ね以下の資格順位により正選手81名、補欠選手5名を選抜する[12]

  • 選考期間…前年11月〜当年4月(6ヶ月)、選考月…5月、最低出走回数…24出走[注 8](但し変更になる可能性がある)
  1. S級S班在籍者
  2. 選手選考対象期間において2ヶ月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者(開催時S級1班所属が条件)
  3. GIGIIヤンググランプリを含む)・GIIIの優勝者
  4. FIの優勝回数上位者
    なお、優勝回数が同じ場合は平均競走得点の上位者を、それも同じ場合は賞金獲得額の上位者を選抜

なお、補欠選手は正選手を除くFIの優勝回数上位者からさらに順次選抜される。

また、正選手のうち、以下の条件を満たした合計9名については、特別選抜予選に出走できる(2015年より)。

特別選抜予選(9名)

  1. 前年のKEIRINグランプリ優勝者
  2. GI・GII(ヤンググランプリを含む)の優勝者
  3. 残余は平均競走得点上位者を順次選抜する

概定番組[編集]

第1日 第2日 第3日
特別選抜予選 準決勝 x3 決勝
特選予選 1-9位 (9)
予選 1-2位 (16) 3位 (2)
準決勝 1-3位 (9)
0
予選 x8 特選 x3 特秀 x2
予選 3位 (6)
4-5位 (16) 6位 (5)
準決勝 4-6位 (9)
特選 1-3位 (9)
選抜 x3 特選 x2
予選 6位 (3) 7-9位 (24)
0
準決勝 7-9位 (9)
特選 4-6位 (9)
選抜 x2
特選 7-9位 (9)
選抜 1-3位 (9)
凡例:  勝ち上がり戦   敗者戦  一般 x2
選抜 4-9位 (18)
勝ち上がり戦
  • 「特別選抜予選」 第1日最終レース。失格にならない限り、9名全員が「準決勝」進出。
  • 「予選」 合計8レース行われ、各レース1-2着16名と3着8名のうち平均競走得点上位2名が「準決勝」進出。
  • 「準決勝」 合計3レース行われ、各レース1-3着9名が「決勝」進出。
  • 「決勝」 第3日最終レース。第14回(2018年)以降は、第11レースが「ガールズケイリンフェスティバル」決勝戦、第12レースが「サマーナイトフェスティバル」決勝戦で固定されていた。

その他、2日目以降に敗退者を対象とした「一般」(3日目のみ)、「選抜」、「特選」、「特別優秀(特秀)」が開催される。

過去のレース編成[編集]

2007年

2007年においては、国際競輪レース(両日とも1個レースずつ)を併催するため、両開催日とも10レース制で開催された。

(参考)2007年のレース編成
初日(7月20日 レース種別
第1競走-第9競走 予選レース
第10競走(最終) 国際競輪(ワールドグランプリレース)
2日目(7月21日 レース種別
第1競走-第3競走 選抜レース
第4競走-第6競走 特選レース
第7競走 国際競輪(ワールドステージレース)
第8競走・第9競走 優秀レース
第10競走(最終) 決勝レース
2014年

2014年から女子選手によるガールズケイリンフェスティバルも同時に開催されるようになり、2015年から3日制で開催されることになった。

(参考)2014年のレース編成・勝ち上がり方式
初日(8月8日) レース種別
第1競走-第3競走 ガールズケイリンフェスティバル予選
第4競走-第12競走 サマーナイトフェスティバル予選
2日目(8月9日) レース種別
第1競走-第2競走 ガールズケイリンフェスティバル選抜
第3競走-第5競走 サマーナイトフェスティバル選抜
第6競走-第8競走 サマーナイトフェスティバル順位決定戦
第9競走 ガールズケイリンフェスティバル決勝
第10競走-第11競走 サマーナイトフェスティバル順位決定戦
第12競走 サマーナイトフェスティバル決勝
  • 初日
「予選」 合計9レース行われ、着順によって最終日に出走する競走が異なる。
  • 2日目(最終日)
「決勝」 「予選」各レース1着9名により行われ、上位3着までは表彰式で表彰台に上がることができる。また、優勝者には優勝インタビューやウイニングランなどが執り行われる。
「順位決定(1)」 「予選」各レース2着9名により行われる。
「順位決定(2)」 「予選」各レース3着9名により行われる。
「順位決定(3)」 「予選」各レース4着9名により行われる。
「順位決定(4)」 「予選」各レース5着9名により行われる。
「順位決定(5)」 「予選」各レース6着9名により行われる。
「選抜」 合計3レースで、「予選」各レース7〜9着27名により行われる。

過去の優勝者[編集]

開催日 開催場 優勝者 府県
1 2005年8月5日-6日 川崎 有坂直樹 秋田
2 2006年7月21日-22日 函館 市田佳寿浩 福井
3 2007年7月20日-21日 松戸 濱口高彰 岐阜
4 2008年7月19日-20日 四日市 新田康仁 静岡
5 2009年7月24日-25日 川崎 武田豊樹 茨城
6 2010年7月17日-18日 函館 成田和也 福島
7 2011年7月22日-23日 松山 神山雄一郎 栃木
8 2012年8月17日-18日 四日市 武田豊樹 茨城
9 2013年8月2日-3日 いわき平 佐藤友和 岩手
10 2014年8月8日-9日 松戸 深谷知広 愛知
11 2015年8月21日-23日 函館 近藤龍徳 愛知
12 2016年7月16日-18日 川崎 浅井康太 三重
13 2017年7月15日-17日 伊東温泉 新田祐大 福島
14 2018年7月14日-16日 松戸 渡邉一成 福島
15 2019年7月13日-15日 別府 村上博幸 京都
16 2020年7月10日-12日 いわき平 清水裕友 山口
17 2021年7月16日-18日[注 9] 函館 松浦悠士 広島
18 2022年7月16日-18日 玉野
19 2023年7月15日-17日 函館

今後の開催予定[編集]

決勝戦テレビ中継[編集]

  • 第3回(2007年)までは地上波中継もあったが、現在は放送される場合でもBSのみになっている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 小倉では毎年GI競輪祭」を開催しているが、競輪の規程にある「GIII記念競輪)以上のグレードレースの開催は原則として1競輪場につき年間1節に限る」という取り決めは4日間以上の開催を指すため、3日間開催である本大会は小倉でも開催すること自体は可能である。ただ、GIを開催している手前、他の施行者との兼ね合いもあり余程のことがない限り小倉での開催はなく、特に2025年以降は4日間開催となるため今後も開催されることはなくなった。なお、2019年と2020年には3日間制GIII小倉濱田翁カップ」が行われている。
  2. ^ 大垣競輪場岸和田競輪場など、ミッドナイト競輪は実施していてもナイター競走は実施していない競輪場では開催されない。また、立川競輪場のように照明設備は整っているがナイター競走を実施して実施いない競輪場でも開催されない。
  3. ^ 例を挙げると、第9回大会(2013年)の場外売場数は92場(いずれの場外とも2日間発売)で、当時110場(本場場外43場、専用場外67場)のうち18場で発売をしなかった。
  4. ^ 2020年は、最終日の965名が最高だった。
  5. ^ 2021年は、最終日の2,504名が最高だった。
  6. ^ 実際は、最終日の2,133名が最高だった。
  7. ^ 歴代4番目は第17回大会(2021年)、5番目は第12回大会(2016年)の44億9669万4500円[8]
  8. ^ 2020年は、COVID-19の影響であっせん状況を考慮して変更された。
  9. ^ 当初は7月17日-19日の予定だったが、最終日に予定されていた海の日7月22日に変更になったため1日前倒しになった。
  10. ^ なお、当試合は屋外のほっともっとフィールド神戸で行われたが、試合中止の場合でも雨傘番組として放送される予定も無かった。

出典[編集]

  1. ^ 2025年度におけるGI開催の新設及びGII開催の日数拡大について”. KEIRIN.JP(JKA) (2023年12月1日). 2023年12月1日閲覧。
  2. ^ サマーナイトフェスティバル(GⅡ)(SN4) (PDF) 副賞を含まない金額
  3. ^ サマーナイトフェスティバルにおける入場制限について - 函館競輪、2021年6月28日
  4. ^ 【いわき平競輪】第16回サマーナイトフェスティバル開催について重要なお知らせ”. KEIRIN.JP (2020年6月21日). 2020年6月22日閲覧。
  5. ^ “7月G2サマーナイトFは1000人限定入場で開催”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2020年6月21日). https://www.nikkansports.com/public_race/news/202006210000524.html 2020年7月14日閲覧。 
  6. ^ “3日間の総売り上げはあと少しで50億円で目標を大幅に上回る/函館G2”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年7月19日). https://www.nikkansports.com/public_race/news/202107190000004.html 2021年7月19日閲覧。 
  7. ^ 函館市競輪運営協議会 議事録 (PDF)
  8. ^ a b GP、GⅠ、GⅡ開催別売上高順位(1~10位)(121頁) - 2020年版競輪年間記録集
  9. ^ “清水裕友が〝夜王〟初襲名 ~いわき平競輪場~”. プロスポーツ (日刊プロスポーツ新聞社). (2020年7月12日). https://www.yen-joy.net/news/daily/detail?ymd=20200712&no=10004&ctg=0 2020年7月13日閲覧。 
  10. ^ “シリーズ3日間で55億円超え!目標クリア/玉野”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2022年7月18日). https://www.nikkansports.com/public_race/news/202207180001317.html 2022年7月18日閲覧。 
  11. ^ “【競輪】3日間の総売り上げは54億円超え 前年比98.8%も目標52億円はクリア/函館G2”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2023年7月17日). https://www.nikkansports.com/public_race/news/202307170001925.html 2023年7月18日閲覧。 
  12. ^ 選考基準 ⇒ ここから「サマーナイトフェスティバル(GII)」をクリック
  13. ^ 7/18(月)20時よりチャリロトよしもとサマーナイトSP放送決定! チャリロト 2022年7月4日
  14. ^ 2022年はレギュラー放送の時間まで通しで放送。2023年は当競走決勝を含む20時~21時をBSで実施し、通常のレギュラー放送もBSで実施している

外部リンク[編集]