フィジー第一党

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フィジーファーストから転送)
フィジー第一党
Fiji-First
党首 フランク・バイニマラマ
総裁 不在
書記長 アヤズ・サイード=ハイユーム
創立 2014年3月31日
本部所在地 スバ、ブラウン街96番地
政治的思想

中道右派

古典的自由主義
フィジー議会
26 / 55
公式サイト
fijifirst.com

フィジー第一党(FijiFirst)[1] またはフィジーファースト党[2][3][4] は、届け出済みのフィジー政党である。2014年3月、当時首相だったフランク・バイニマラマによって設立された。

沿革[編集]

バイニマラマが設立の届け出に必要な5000筆の署名を集めるため、キャンペーンバス(英語版)で国内を遊説する直前の2014年3月31日に立ち上げられた。 [5] バイニマラマは、FijiFirstという党名に自分の政治信条を表したと述べている[6]。来たる総選挙の候補者名簿第一位および総裁には、のちに女性省大臣(英語版)となるジコ・ルヴェニが指名された[7]

届け出のための署名運動では、40000筆以上が集まった[8]

副党首には前フィジー労働党上院議員のビジャイ・プラサドが、書記長には後に法務長官となるアヤズ・サイード=ハイユームが任命された。しかし、プラサドは1980年代に窃盗罪で有罪判決と懲役刑を受けたことを理由に、わずか1日で副党首を辞任した[9]。副党首にはラトゥ・ウィリアメ・カトニヴェレも選出された。会計には会計士で、en:CPA Australiaの準会員でもあるヴィムレシュ・クマールが任命された[10]

フィジー第一党の登録申請では、6件の告訴が起きた[11]。そのなかには、以前から"Fiji First"という名称を使っていた党からの告訴もひとつあった[12]。しかし、フィジー第一党は2014年5月30日に登録された[13]

2014年総選挙[編集]

2014年7月25日、フィジー第一党は第一次候補者名簿を発表した[14] 筆頭はフランク・バイニマラマであった。総選挙では29万3714票、得票率59.2%(総票数495,105票)で勝利し、定数50のうち過半数の32議席を獲得した[15]

ニュージーランドウェリントン在住の匿名のライターがエコノミストに寄せた記事によると、フィジー第一党は選挙で勝利したにもかかわらず、「多くの」生来のフィジー人から「ないがしろにされて」いる。フィジー市民はあまねくフィジー人であると明記した2013年フィジー憲法(英語版)の施行が民族性に無頓着であることや、法務長官のサイード=ハイユームがムスリムのルーツを持っていることから、「いくらかの」先住民は「文化の消滅」と「イスラムの陰謀に国が支配される」ことに対して恐怖心を抱いていると、そのライターは述べている[16]

2018年総選挙[編集]

2018年の総選挙では、女性10名を含む51名がフィジー第一党から立候補した[17]。総選挙の結果、22万7241票、得票率50.02%で27議席を獲得し、前回選挙から議席を減らしたものの、国会での単独過半数の維持に成功した[18][19]

2022年総選挙[編集]

2022年の総選挙では、第一党には留まったものの得票率を42.55%にまで落とし、結果として野党に転落した[20]。キャスティングボートを握った社会民主自由党(3議席)が6日間の交渉を経て人民同盟主導の内閣への支持を表明したことで[21]、フィジー第一党の政権与党としての8年間およびバイニマラマの16年間にわたる首相在任期間に終止符が打たれた[22]

出典[編集]

  1. ^ フィジー共和国(Republic of Fiji)基礎データ 外務省(日本) 2016年5月18日閲覧
  2. ^ フィジーで総選挙、民政復帰へ クーデターから8年ぶり 日本経済新聞 2016年5月18日閲覧
  3. ^ フィジー総選挙は平穏に実施-フィジーファースト党圧勝の勢い 国際機関 太平洋諸島センター 2016年5月18日閲覧
  4. ^ []
  5. ^ 'I want a new Fiji' - Fiji Times Online”. 2014年4月26日閲覧。
  6. ^ Pacific.scoop.co.nz » Fiji First unveiled as Bainimarama’s new party name for elections”. 2014年4月26日閲覧。
  7. ^ Fiji First registration now weeks away - Radio New Zealand News”. 2014年4月26日閲覧。
  8. ^ Fiji's Bainimarama lodges party application - Radio New Zealand News”. 2014年5月8日閲覧。
  9. ^ FijiFirst man quits over criminal record”. 2014年5月8日閲覧。
  10. ^ I did not have to think twice - Tui Macuata”. 2014年5月8日閲覧。
  11. ^ Fiji First Party approval outlined”. Radio New Zealand International (2014年6月2日). 2014年6月3日閲覧。
  12. ^ Fiji First party registration decried”. Radio New Zealand International (2014年5月31日). 2014年6月3日閲覧。
  13. ^ Fijian PM's Fiji First party officially registered”. Shanghai Daily (2014年5月30日). 2014年6月3日閲覧。
  14. ^ Swamy, Nasik. “FijiFirst candidates”. Fiji Times. http://www.fijitimes.com/story.aspx?id=275411 2014年7月26日閲覧。 
  15. ^ 2014 Election Results”. Fiji Elections Office. 2014年9月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年9月23日閲覧。
  16. ^ “Fiji’s army-tainted politics”. The Economist. (2016年1月23日). http://www.economist.com/news/asia/21688925-keeping-peace-abroad-seems-have-troubling-impact-home-corking-genie 2016年1月24日閲覧。 
  17. ^ Six political parties to contest Fijian elections”. RNZ (2018年10月16日). 2018年10月16日閲覧。
  18. ^ 2018 General Election: FijiFirst wins and will form next government”. The Fiji Times (2018年11月18日). 2018年11月18日閲覧。
  19. ^ Talebula Kate (2018年11月18日). “2018 General Election: FijiFirst secures 27 seats to form government”. Fiji Times. 2018年11月18日閲覧。
  20. ^ Fijivillage. “Final results out with no party securing more than 50 percent of the total votes in the 2022 general elections” (英語). www.fijivillage.com. 2022年12月18日閲覧。
  21. ^ SODELPA is kingmaker”. Fiji Broadcasting Corporation. 2022年12月18日閲覧。
  22. ^ Fiji has a new coalition government; Rabuka to be PM” (英語). RNZ (2022年12月20日). 2022年12月20日閲覧。

外部リンク[編集]