にぎりっぺ

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様々な角度から見たにぎりっぺ

にぎりっぺ握り屁(にぎりべ、にぎりへ)は、自分の出した肛門近くで握ったあと、手のひらを開き屁を開放する動作。そのさま。 古来よりいたずら、滑稽な行為として庶民の文化に溶け込んでおり、にぎりっぺを題材にした昔話は数多く存在する。

室町時代後期の『福富草紙[注 1]』には既に「握り屁の臭いはどこまで持つか」という伊豆の男の話が書かれており、ここから「握り屁三里(にぎりっぺの臭いは三里[注 2]持つ)」という諺語が生まれている。各地で伝わる民話はいずれも滑稽でくだらないものであり、「臭いが随分と長く持つから不思議だったが、手の中(あるいは自分の鼻)にクソがついていた」というような類である。

にぎりっぺを題材とした作品・登場する作品[編集]

  • 洒落本『無頼通説法』1779年(安永8年)-「愚そうもすでに五戒をたもち、慈悲にんにく、握り屁まではかんにんして」と記述がある。
  • 『握り屁』(岡山県の民話)- にぎりっぺをして、いつまでも臭いが消えないので掌を見たらクソがあったという話[1]
  • 『やったぞ糞蝿』(長崎県の民話)- にぎりっぺをして、いつまでも臭いが消えないので鼻を見たらクソがついてたという話[2]
  • 『屁くらべ』(広島県の民話)- 三人の男が誰のにぎりっぺが最も長く臭うかと競争をしたが、勝者の掌を見たらクソがあったという話[3]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 洛中(京都)に住む福富織部(ふくとみのおりべ)という翁が、放屁の芸で立身出世していく話
  2. ^ 約1.78km

出典[編集]

  1. ^ 日本昔話通観 岡山』、785ページ、同朋舎、1979年。
  2. ^ 日本昔話通観 長崎・熊本・宮崎』、583ページ、同朋舎、1980年。
  3. ^ 日本昔話通観 広島・山口』、693ページ、同朋舎、1979年。

外部リンク[編集]