ジャパン (競走馬)

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ジャパン
欧字表記 Japan[1]
品種 サラブレッド
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2016年2月22日[1]
Galileo[1]
Shastye[1]
母の父 デインヒル[1]
生国 イギリスの旗 イギリス
生産者 Newsells Park Stud
& Petaluma Bloodstock[1]
馬主 デリック・スミス
ジョン・マグナー夫人
マイケル・テイバー
松島正昭[1]
調教師 エイダン・オブライエン
アイルランドの旗 アイルランド
競走成績
生涯成績 22戦7勝[1]
獲得賞金 £1,688,876[1]
勝ち鞍
G1 パリ大賞典 2019年
G1 インターナショナルステークス 2019年
G2 ベレスフォードステークス 2018年
G2 キングエドワード7世ステークス 2019年
G3 オーモンドステークス 2021年
G3 メルドステークス 2021年
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ジャパン(英:Japan[1])はイギリス生産、アイルランド調教の競走馬である。主な勝ち鞍は2019年パリ大賞典(GI)、インターナショナルステークス(GI)。

「ジャパン」の名は2014年英ダービーオーストラリアなどと同様にクールモアグループが国名にちなんで名付けたもので、日本との直接的な関係はなかったが、2020年1月31日に日本の株式会社キーファーズ代表取締役社長である松島正昭が馬の所有権を購入して、クールモアグループとの共同所有となった。クールモアはグループ総帥のジョン・マグナーの妻であるスーザン・マグナー、ブックメーカー「アーサープリンス」元オーナーのマイケル・テイバー、同じくブックメーカー「ラドブロークス英語版」トレーディングディレクターのデリック・スミスによる共同所有の形を取っており、報道上では「クールモアとキーファーズの共同所有」とされるが正式な馬主の名義は「Derrick Smith, Mrs John Magnier, Michael Tabor & Masaaki Matsushima」の4者となる。なお、勝負服については、日本中央競馬会で海外馬券が発売されるレースの出走時を中心にキーファーズの勝負服を着用し、クールモアの3名とのローテーションで回している[2]

戦績[編集]

2016年2月22日にイギリスで誕生。翌年10月のタタソールズ1歳馬セールにて、クールモアグループによって130万ギニーで落札された[3]2018年9月、エイダン・オブライエン厩舎からデビュー。

2019年英ダービーでは僚馬アンソニーヴァンダイクの3着に入線した。次戦のキングエドワード7世ステークスを4馬身半で圧勝した後、フランスパリ大賞典を制してG1初制覇を果たす[4]

日本からシュヴァルグランも出走していた8月21日のインターナショナルステークスには3番人気で出走[5]。ゴール前で1番人気クリスタルオーシャンをアタマ差競り落とし、G1連勝となった。オブライエン師は「ダンテステークスから毎月良化してきている。信じられないぐらいだよ」と称賛した[4]。続く凱旋門賞にはオブライエン厩舎からマジカルとの二頭出しとなり、ライアン・ムーアはジャパンに騎乗。地元フランスソットサスと並ぶ3歳馬の代表格としてエネイブルジョン・ゴスデン調教師からもライバル視されていた[6]。重馬場で行われたレースでは直線で上位陣の争いに加わったものの、最後に力尽きて4着に終わる。

2020年の初戦はプリンスオブウェールズステークスに出走して4着、翌月エクリプスステークスでガイヤースエネイブルと再戦するも、2頭に及ばず3着となった。次走のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスではエネイブルと愛ダービー馬ソヴリンの3頭のみの出走となったが、直線で2頭に大きく差を付けられて最下位。その後の検査で挫跖が判明した[7]愛チャンピオンステークスの5着を挟んで、凱旋門賞は鞍上に武豊を迎えて出走する予定であった。しかし、オブライエン厩舎で使用されているゲイン社の飼料から禁止薬物が検出されたことを受け、同馬含む4頭の尿検査が実施された。検査の結果、4日朝(日本時間)に陽性[8] であった為出走取消[9] となった。その後、仕切り直しでチャンピオンステークスに出走したが9着に終わった。

2021年も現役を続行。初戦のオーモンドステークス(G3)を勝利した後、6月のコロネーションカップは3着、ハードウィックステークス(G2)は6着に敗れた。7月のメルドステークス(G3)を勝利して、米国へ遠征。8月のソードダンサーインビテーショナルステークスはグーフォのクビ差2着と惜敗し、続く10月のターフクラシックステークスは6着、ブリーダーズカップ・ターフは4着という成績であった。日本に遠征し、11月28日のジャパンカップに武豊を鞍上に迎えて出走するも8着に終わり、現役を引退した。引退後はドイツのエッツァン牧場で種牡馬入りする[10]

競走成績[編集]

以下の内容は、Racing Post[1] の情報に基づく。

出走日 競馬場 競走名 距離 着順 騎手 着差 1着(2着)馬
2018.09.01 カラ 未勝利 芝8f 7着 W.ローダン 6馬身1/2 Sydney Opera House
0000.09.12 リストーエル 未勝利 芝7f 1着 D.オブライエン 3/4馬身 (Aristocratic Man)
0000.09.30 ナース ベレスフォードS G2 芝8f 1着 J.ヘファーナン 短頭 (Mount Everest)
2019.05.16 ヨーク ダンテS G2 芝10.5f 4着 R.ムーア 5馬身3/4 Telecaster
0000.06.01 エプソム ダービーS G1 芝12f 3着 W.ローダン 1/2馬身 Anthony Van Dyck
0000.06.21 アスコット キングエドワード7世S G2 芝12f 1着 R.ムーア 4馬身1/2 (Bangkok)
0000.07.14 パリロンシャン パリ大賞典 G1 芝12f 1着 R.ムーア 1/2馬身 (Slalom)
0000.08.21 ヨーク インターナショナルS G1 芝10.5f 1着 R.ムーア アタマ Crystal Ocean
0000.10.06 パリロンシャン 凱旋門賞 G1 芝12f 4着 R.ムーア 4馬身 Waldgeist
2020.06.17 アスコット プリンスオブウェールズS G1 芝10f 4着 R.ムーア 1/2馬身 Lord North
0000.07.05 サンダウン エクリプスS G1 芝10f 3着 R.ムーア アタマ Ghaiyyath
0000.07.25 アスコット KGⅥ&QES G1 芝12f 3着 R.ムーア 大差 Enable
0000.09.12 レパーズタウン 愛チャンピオンS G1 芝10f 5着 R.ムーア 4馬身1/2 Magical
0000.10.17 アスコット チャンピオンS G1 芝10f 9着 C.キーン 12馬身1/2 Addeybb
2021.05.06 チェスター オーモンドS G3 芝13.5f 1着 R.ムーア 3/4馬身 (Trueshan)
0000.06.04 エプソム コロネーションC G1 芝12f 3着 R.ムーア 7馬身1/4 Pyledriver
0000.06.19 アスコット ハードウィックS G2 芝12f 6着 W.ローダン 7馬身1/4 Wonderful Tonight
0000.07.15 レパーズタウン メルドS G3 芝12f 1着 R.ムーア 短頭 Maker Of Kings
0000.08.28 サラトガ ソードダンサーS G1 芝12f 2着 R.ムーア クビ Gufo
0000.010.9 ベルモントパーク ジョーハーシュターフ G1 芝12f 6着 W.ローダン 5馬身 Rockemperor
0000.011.6 デルマー BCターフ G1 芝12f 4着 R.ムーア 3馬身 Yibir
0000.011.28 東京 ジャパンC G1 芝2400m 8着 武豊 5馬身1/2 コントレイル

血統表[編集]

ジャパン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サドラーズウェルズ系
[§ 2]

Galileo
1998 鹿毛
父の父
Sadler's Wells
1981 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Fairy Bridge Bold Reason
Special
父の母
Urban Sea
1989 栗毛
Miswaki Mr. Prospector
Hopespringseternal
Allegretta Lombard
Anatevka

Shastye
2001 鹿毛
*デインヒル
Danehill
1986 鹿毛
Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Razyana His Majesty
Spring Adieu
母の母
Saganeca
1988 黒鹿毛
Sagace Luthier
Seneca
Haglette Hagley
Sucrette
母系(F-No.) 11号族(FN:11-d) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer3×4=18.75%Natalma4×5×5=12.50%、Buckpasser5×5=6.25% [§ 4]
出典
  1. ^ Free 5X Pedigrees. equiline.com. 2019年8月22日閲覧
  2. ^ Free 5X Pedigrees. equiline.com. 2019年8月22日閲覧
  3. ^ Free 5X Pedigrees. equiline.com. 2019年8月22日閲覧
  4. ^ Free 5X Pedigrees. equiline.com. 2019年8月22日閲覧

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m Japan | Race Record & Form. Racing Post. 2020年9月12日閲覧
  2. ^ 【エクリプスS】ジャパン、今レース勝負服はキーファーズ スポーツ報知、2020年7月1日、2020年9月19日閲覧
  3. ^ Tattersalls October Yearling Sale (Book 1) 2017”. Racing Post. 2019年8月22日閲覧。
  4. ^ a b Lee Mottershead (2018年8月21日). “Japan Edges Crystal Ocean in Juddmonte International”. Bloodhorse. 2019年8月22日閲覧。
  5. ^ Full Result 3.35 York”. Racing Post. 2019年8月22日閲覧。
  6. ^ エネイブル3連覇へ余裕のゴスデン師/凱旋門賞”. JRA-VAN ver. World (2019年10月4日). 2019年10月7日閲覧。
  7. ^ Below-par Japan found to have stone bruise”. www.irishracing.com. 2020年10月4日閲覧。
  8. ^ 凱旋門賞に出馬予定だった4馬から禁止薬物 武豊が参戦できず”. ライブドアニュース. 2020年10月4日閲覧。
  9. ^ 2020凱旋門賞(G1)でジャパン、ソヴリン、モーグル、サーペンタインが出走取消 JRA”. jra.jp. 2020年10月4日閲覧。
  10. ^ 【ジャパンC】武豊ジャパンは8着 今後はドイツで種牡馬に”. ヤフースポーツ (2021年11月28日). 2021年11月29日閲覧。
  11. ^ 【仏・パリ大賞結果】モーグルが突き抜けてV 全兄ジャパンと兄弟制覇”. netkeiba.com (2020年9月13日). 2020年9月20日閲覧。
  12. ^ 【香港ヴァーズ結果】アイルランドのモーグルが快勝 GI・2勝目 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年12月14日閲覧。
  13. ^ Secret Gesture | Race Record & Form | Racing Post”. www.racingpost.com. 2019年8月22日閲覧。
  14. ^ Japanの血統表”. netkeiba.com. 2019年8月22日閲覧。
  15. ^ Sagacity(FR)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2019年8月22日閲覧。

外部リンク[編集]