ハミナ級ミサイル艇

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ハミナ級ミサイル艇
81 トルニオ(Tornio)
艦級概観
艦種 ミサイル艇
就役開始 1998年
前級 ラウマ級ミサイル艇
次級
同型艇 4隻
性能要目
排水量 満載 250t
全長 51.0m
全幅 8.5m
吃水 1.7m
機関 MTU 16V 538 TB93ディーゼルエンジン(5,520kW) 2基
ロールス・ロイス Kamewa 90SII ウォータージェット 2基
最大速力 30kt
航続距離 500nmi/24kt
乗員 26名
兵装 ボフォース57mm/70 Mk3 単装砲ボフォース40mm Mk4 単装機関砲[1] 1門
NSV 12.7mm機銃サーブ・トラックファイア英語版RWS 2挺→1基
ウムコント短SAM VLS(8セル) 1基
RBS-15 Mk.3SSM発射筒→ガブリエル Mk.VSSM発射筒[1] 4基
エルマLLS-920 9連装対潜ロケット弾発射機 4基
機雷爆雷投下軌条 1基
レーダー TRS-3D/16-ES マルチモード3次元レーダー
ソナー Sonac/PTA 曳航ソナーコングスベルグST2400曳航ソナー[1]
C4I ANCS-2000 CMS
電子戦 ラインメタル MASS(Multi Ammunition ソフトキルシステム)
チャフフレア発射機
タレス マチルダレーダー警報システム

ハミナ級ミサイル艇(ハミナきゅうミサイルてい、フィンランド語: Hamina-luokan ohjusvene, : Hamina class missile boat)は、フィンランド海軍ミサイル艇1998年-2006年に4隻建造された。

設計[編集]

艦体[編集]

設計は前級のラウマ級を原型としているが、ステルス性への配慮が導入され、

アルミニウム炭素繊維などの複合材料で軽量に造られており、艦橋など構造物には傾斜がかけられ、レーダー吸収材を使用している。艦橋・戦闘指揮所など重要部には装甲が施されている。

ウォータージェット推進により、浅海面での航行および高速力と優れた運動性を発揮する。

兵装[編集]

フィンランドのミサイル艇は、対艦ミサイルによる対艦戦に加え、機雷敷設能力やソナーによる対潜水艦戦など多用途に使用できるように考慮されている。

ボフォース57mm砲砲塔はステルス形状のMk3型、RBS-15対艦ミサイルの発射筒は起倒式、ウムコント艦対空ミサイルVLSなどステルス性を有している。個艦防空ミサイルにより防空能力は強化されている。搭載する艦対空ミサイルは、前級の歩兵用携帯式の艦載型サドラルから個艦防御(ポイントディフェンス)用に開発されたウムコントへと能力が向上している。

兵装は、ANCS-2000 戦闘調整システムによってシステム艦としての構築が行なわれている。

運用[編集]

83 ポリ(Pori)

1998年から2006年にかけて4隻が配備された。各艇には都市名が付けられている。

2020年から寿命延長のための改修が始まった。主に対水上・対潜能力の向上を図り、兵装をボフォース57mm砲をボフォース40mm Mk4 単装機関砲に、NSV 12.7mm機関銃 2門をサーブ製のサーブ・トラックファイア英語版RWS1基に、RBS-15をイスラエル製のガブリエル Mk.Vに換装し、Tp 47英語版スウェーデン語版短魚雷の運用能力を付与した。また、センサー類も可変深度ソナーコングスベルグST2400に、指揮管制装置を9LVに換装した。1番艇ハミナの改修は2020年12月11日に完了し、最後となったポリの改修は2022年に完了した[2]。2022年からは、対空・対水上能力の改修が予定されている[1]

同型艇[編集]

  • 80 ハミナ(Hamina)1998年8月就役
  • 81 トルニオ(Tornio)2003年5月就役
  • 82 ハンコ(Hanko)2005年6月就役
  • 83 ポリ(Pori )2006年6月就役

登場作品[編集]

ゲーム[編集]

WarRock
トルニオが登場。57mm艦砲RIM-116 RAM対空ミサイルMk 38 25 mm 機関砲を装備しており、全兵器中最大の大きさを誇る。

出典[編集]

  1. ^ a b c d 「海外艦艇ニュース フィンランド海軍ハミナ級の近代化改修が進む」 『世界の艦船』通巻943集(2021年3月号) 海人社 P.166-167
  2. ^ 「海外艦艇ニュース フィンランド海軍の高速戦闘艇が近代化改修を完了」 『世界の艦船』第985集(2022年12月号) 海人社 P.166

関連項目[編集]