パンジ川

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パンジ川
延長 1159 km
水源 ヒンドゥークシュ山脈
ワフジール峠
水源の標高 4840 m
河口・合流先 アムダリヤ川
流路 アフガニスタンの旗 アフガニスタン
タジキスタンの旗 タジキスタン
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パンジ川(パンジがわ、英語: Panjタジク語: Панҷロシア語: Пяндж )は、アムダリヤ川の主要な支流の1つである。アフガニスタンタジキスタンの国境を成し、ヴァフシュ川と合流してアムダリヤ川となる。ロシア語の名前 "Пяндж" (Pyandzh) に由来して、ピャンジ川としても知られる。延長は1159km[1]

地理[編集]

タジキスタンとアフガニスタンの国境を流れる

パンジ川の源流はヒンドゥークシュ山脈ワフジール峠から発するワフジル川である[2]。これにオクスー川が加わってワハン川(ワハンダリヤ)となるが、すぐにパンジ川(ピャンジ川)と名前を変える[2]。パンジとは「5つ」の意味であり[2]パミール高原氷河万年雪などから流れ出た4つの川(パミール川英語版グント川英語版バルタング川英語版ワンチ川英語版)が次々と合流する[2]。パンジ川はタジキスタンのゴルノ・バダフシャン自治州とアフガニスタンのバダフシャーン州の間の高山地帯を西に進み、途中で北に大きく向きを変えて長い距離を流れていく。その後また南に向きにを変えると、高山地帯を抜けてタジキスタンのハトロン州に入る。

ハトロン州とウズベキスタンのスルハンダリヤ州の間はパミール・アライ山脈英語版から南に幾筋もの支脈が走り、支脈と支脈の間に盆地が広がる複雑な地形となっている。アムダリヤ川が最初に出会うのはアフガニスタンのタハール州からハトロン州に広がる盆地であり、その西にはクンドゥーズ州から広がる盆地がある。この辺りはいくつもの川が合流する地域で、まず北からキジルスー川英語版が合流し、次に南からコクチャ川英語版が合流する。北からヴァフシュ川(ワフシュ川)が合流すると、パンジ川はアムダリヤ川と名前を変える[2]

下流部一帯は2001年にラムサール条約登録地となった[3]

流域の都市[編集]

交通[編集]

パミール・ハイウェイ英語版(赤線)

パンジ川はソ連時代に戦略的に重要とみなされ、1980年代のソ連のアフガニスタン紛争では軍事戦略上、重要な役割を果たした。[要出典]

支流[編集]

遺跡[編集]

自然保護区[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 「シルクロードの古代都市」P6, 8
  2. ^ a b c d e 加藤九祚『シルクロードの古代都市』岩波書店、2013年、2-9頁。ISBN 978-4004314448 
  3. ^ Lower part of Pyandj River | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2001年7月18日). 2023年4月7日閲覧。
  4. ^ アジアハイウェイ路線とその現状”. 国土交通省. 2014年1月27日閲覧。
  5. ^ ラピス・ラズリ
  6. ^ 「シルクロードの古代都市」P65-66
  7. ^ 「シルクロードの古代都市」第二章

外部リンク[編集]