プリメーラ・ディビシオン (アルゼンチン)1985

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アルゼンチンの旗 プリメーラ・ディビシオン
シーズン 1985
優勝 AAアルヘンティノス・ジュニアーズ (2回目)
コパ・リベルタ
ドーレス1986
AAアルヘンティノス・ジュニアーズ
CAベレス・サルスフィエルド
...
得点王 アルゼンチンの旗 ホルヘ・コマス
(12点)
1984

1985年シーズンのアルゼンチンのプロサッカーリーグ1部プリメーラ・ディビシオンについて記述する。プロリーグ化されてから通算55シーズン目であり、通年制から越年制への移行期であるため「トルネオ・ナシオナル」だけが行われた。

概要[編集]

プロサッカーリーグの「全国化」を目指して創設されたトルネオ・ナシオナルは今季限りで廃止されるが[1]、この選手権を通じてしかプリメーラ・ディビシオンに参加できなかったアルゼンチンサッカー協会の間接加盟クラブも、来季からは全国の州リーグが同一のピラミッドに統合されるため、勝ち続ければ最終的にプリメーラ・ディビシオンに到達できるようになった。

開催期間は1985年2月17日から9月4日まで。来季のプリメーラ・ディビシオン所属19クラブ、州リーグ所属13クラブの計32クラブが出場した。8つのグループに分かれて2回戦総当たりのグループステージを行い、各組2位・計16チームまでが「GS勝者側の決勝トーナメント」に進出する。一方でグループ下位に終わった16チームは「GS敗者側の決勝トーナメント」に進むという、所謂ダブルイリミネーション方式である。

ここからは難解であり、まずGS勝者側トーナメントを最後まで勝ち抜いた1チームは、決勝戦に進出する。その一方で敗者側トーナメントは各ラウンドで半分のチームを脱落させつつも、勝者側トーナメントの敗退チームを順次吸収しながら進行し、最終的にこれを勝ち抜いたチームがもうひとつのファイナリストになる、という仕組みである。開催期間が7か月と通常より倍以上長いため、GSで半分のチームを脱落させるというシステムにはならず、敗者復活の機会が過剰に多く設けられていた。極めつけに、勝者側トーナメントを勝ち抜いたファイナリストは、敗者側トーナメントから進出したファイナリストよりもアドバンテージを与えられており、それが最後に決め手となった[1]

AAアルヘンティノス・ジュニアーズが2回目の優勝を決めた[2]

出場チーム[編集]

  • アルゼンチンサッカー協会間接加盟クラブ (13)

固定枠[編集]

チーム ホームタウン ホームスタジアム
アルトス・オルノス・サプラ パルパラ エスタディオ・セントロ・シデルルヒコ
CDコマンダンテ・ニカノール・オタメンディ コマンダンテ・ニカノール・オタメンディ ムンディアリスタ・デ・マル・デル・プラタ
エスタディオ・ヘネラル・サン・マルティン
AAエストゥディアンテス リオ・クアルト エスタディオ・シウダ・デ・リオ・クアルト
AAウラカン・ラス・エラス ラス・エラス エスタディオ・マルビナス・アルヘンティナス
セントロ・フベントゥ・アントニアナ サルタ エスタディオ・フライ・オノラート・ピストイア
CAサン・マルティン (トゥクマン) サン・ミゲル・デ・トゥクマン エスタディオ・ラ・シウダデラ

トルネオ・レヒオナル1985の勝者[3][編集]

チーム ホームタウン ホームスタジアム
CAアルヘンティーノ・デ・フィルマート フィルマート エスタディオ・フェリックス・オリオラ
CAベルグラーノ コルドバ エスタディオ・ヒガンテ・デ・アルベルディ
CAセントラル・ノルテ (サルタ) サルタ エスタディオ・ドクトル・ルイス・ゲメス
クルブ・シポジェティ シポジェッティ ラ・ビセーラ・デ・セメント
CDグアラニ・アントニオ・フランコ ポサーダス エスタディオ・クレメンテ・アルヘンティーノ・フェルナンデス・デ・オリベイラ
CA・デ・ラ・フベントゥ・アリアンサ サンタ・ルシア エスタディオ・デル・センテナリオ
CBラモン・サンタマリア タンディル ムニシパル・デ・タンディル

グループステージ[編集]

グループA[編集]

チーム 出場権
1 エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ 6 4 1 1 12 4 +8 9
2 CBラモン・サンタマリア 6 2 1 3 5 6 −1 5
3 ラシン・デ・コルドバ 6 2 1 3 5 8 −3 5
4 CAプラテンセ 6 2 1 3 5 9 −4 5

グループB[編集]

チーム 出場権
1 ボカ・ジュニアーズ 6 3 2 1 13 6 +7 8
2 AAエストゥディアンテス 6 3 1 2 12 12 0 7
3 CAテンペルレイ 6 2 1 3 8 11 −3 5
4 アルトス・オルノス・サプラ 6 2 0 4 5 9 −4 4

グループC[編集]

チーム 出場権
1 CAインデペンディエンテ 6 3 1 2 11 6 +5 7
2 CAタジェレス 6 3 1 2 6 6 0 7
3 CDグアラニ・アントニオ・フランコ 6 3 1 2 6 8 −2 7
4 CAウラカン 6 0 3 3 7 10 −3 3

グループD[編集]

チーム 出場権
1 CAリーベル・プレート 6 4 2 0 10 4 +6 10
2 ウニオン・デ・サンタフェ 6 1 3 2 9 6 +3 5
3 ヒムナシア・イ・エスグリマLP 6 1 3 2 4 10 −6 5
4 クルブ・シポジェティ 6 0 4 2 5 8 −3 4

グループE[編集]

チーム 出場権
1 ニューウェルズ・オールドボーイズ 6 2 4 0 9 6 +3 8
2 CAサン・ロレンソ・デ・アルマグロ 6 2 3 1 10 5 +5 7
3 CAウラカン・ラス・エラス 6 2 3 1 8 8 0 7
4 CDコマンダンテ・ニカノール・オタメンディ 6 1 0 5 6 14 −8 2

グループF[編集]

チーム 出場権
1 AAアルヘンティノス・ジュニアーズ 6 3 3 0 16 5 +11 9
2 チャカリタ・ジュニアーズ 6 3 1 2 11 6 +5 7
3 CAセントラル・ノルテ (サルタ) 6 1 3 2 4 14 −10 5
4 CAベルグラーノ 6 0 3 3 8 14 −6 3

グループG[編集]

チーム 出場権
1 CAサン・マルティン (トゥクマン) 6 3 2 1 12 4 +8 8
2 CAベレス・サルスフィエルド 6 2 3 1 11 6 +5 7
3 CAアルヘンティーノ・デ・フィルマート 6 2 1 3 5 10 −5 5
4 CA・デ・ラ・フベントゥ・アリアンサ 6 1 1 4 4 12 −8 3

グループH[編集]

チーム 出場権
1 クルブ・フェロ・カリル・オエステ 6 4 1 1 8 2 +6 9
2 デポルティーボ・エスパニョール 6 3 1 2 9 6 +3 7
3 インスティトゥートACコルドバ 6 3 0 3 9 9 0 6
4 セントロ・フベントゥ・アントニアナ 6 1 0 5 4 13 −9 2

ダブル・イリミネーションラウンド[編集]

ここからGSで2位以内に入ったチームが「勝者側」、3位以下だったチームが「敗者側」トーナメントに進む。敗者側は1度負けたら敗退決定だが、勝者側は敗退した後に敗者側トーナメントに次のラウンドから参加することができる。両方のトーナメントを最後まで勝ち抜いたチーム同士が、トルネオ・ナシオナルの決勝戦に進出する。

勝者側トーナメント[編集]

第1戦ホームチーム 第2戦ホームチーム 第1戦 第2戦 合計スコア
CAインデペンディエンテ ラモン・サンタマリア 3-1 3-2 6-3
CAタジェレス エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ 1-1 1-3 2-4
ニューウェルズ・オールドボーイズ チャカリタ・ジュニアーズ 0-0 2-1 2-1
CAサン・ロレンソ・デ・アルマグロ AAアルヘンティノス・ジュニアーズ 2-2 0-1 2-3
CAサン・マルティン (トゥクマン) AAエストゥディアンテス 4-2 0-0 4-2
ボカ・ジュニアーズ ベレス・サルスフィエルド 3-2 0-3 3-4
フェロ・カリル・オエステ ウニオン・デ・サンタフェ 1-0 2-1 3-1
デポルティーボ・エスパニョール リーベル・プレート 2-1 0-5 2-6

敗者側トーナメント1回戦[編集]

第1戦ホームチーム 第2戦ホームチーム 第1戦 第2戦 合計スコア
グアラニ・アントニオ・フランコ CAプラテンセ 0-0 0-1 0-1
CAウラカン ラシン・デ・コルドバ 2-1 1-1 3-2
CAベルグラーノ ウラカン・ラス・エラス 2-1 1-3 3-4
セントラル・ノルテ CD・デ・コマンダンテ・ニカノール・オタメンディ 0-0 3-2 3-2
アルトス・オルノス・サプラ アルヘンティーノ・デ・フィルマート 2-0 1-2 3-2
フベントゥ・アリアンサ CAテンペルレイ 4-3 1-4 5-7
クルブ・シポジェティ インスティトゥートACコルドバ 0-0 1-3 1-3
ヒムナシア・イ・エスグリマLP セントロ・フベントゥ・アントニアナ 3-0 0-1 3-1

勝者側トーナメント準々決勝[編集]

スコア
SCAサン・マルティン AAアルヘンティノス・ジュニアーズ 0-2
フェロ・カリル・オエステ CAインデペンディエンテ 3-0
リーベル・プレート エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ 2-0
ニューウェルズ・オールドボーイズ ベレス・サルスフィエルド 1-2 (a.e.t)

敗者側トーナメント2回戦[編集]

合計スコア
AAエストゥディアンテス CAテンペルレイ 0-1
ヒムナシア・イ・エスグリマLP デポルティーボ・エスパニョール 0-2
ウニオン・デ・サンタフェ CAプラテンセ 3-0
CAタジェレス インスティトゥートACコルドバ 0-4
ボカ・ジュニアーズ アルトス・オルノス・サプラ 3-1
ウラカン・ラス・エラス CAサン・ロレンソ・デ・アルマグロ 3-3 (2-3 p)
チャカリタ・ジュニアーズ ウラカン 0-0 (4-3 p)
セントラル・ノルテ ラモン・サンタマリア 1-1 (4-2 p)

勝者側トーナメントの準決勝[編集]

合計スコア
フェロ・カリル・オエステ AAアルヘンティノス・ジュニアーズ 0-3
ベレス・サルスフィエルド リーベル・プレート 3-0

敗者側トーナメント3回戦[編集]

スコア
CAインデペンディエンテ ボカ・ジュニアーズ 1-0
ニューウェルズ・オールドボーイズ テンペルレイ 2-1
チャカリタ・ジュニアーズ CAサン・ロレンソ・デ・アルマグロ 2-0 (a.e.t)
エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ デポルティーボ・エスパニョール 1-1 (6-5 p)
セントラル・ノルテ ウニオン・デ・サンタフェ 0-0 (1-3 p)
CAサン・マルティン インスティトゥートACコルドバ 0-0 (4-1 p)

勝者側トーナメントの決勝戦[編集]

第1戦ホーム 第2戦ホーム 第1戦 第2戦 合計スコア
AAアルヘンティノス・ジュニアーズ ベレス・サルスフィエルド 2-0 0-2 2-2 (4-3 p)
  • AAアルヘンティノス・ジュニアーズはトルネオ・ナシオナル決勝進出。
  • CAベレス・サルスフィエルドは「敗者側トーナメント」の決勝に出場決定。

敗者側トーナメント4回戦[編集]

合計スコア
ニューウェルズ・オールドボーイズ チャカリタ・ジュニアーズ 1-0
エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ CAサン・マルティン 1-0
リーベル・プレート ウニオン・デ・サンタフェ 1-0
フェロ・カリル・オエステ インデペンディエンテ 0-0 (2-4 p)

敗者側トーナメント5回戦[編集]

スコア
リーベル・プレート エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ 4-1
インデペンディエンテ ニューウェルズ・オールドボーイズ 0-2

敗者側トーナメント6回戦[編集]

スコア
リーベル・プレート ニューウェルズ・オールドボーイズ 2-0

敗者側トーナメントの決勝戦[編集]

スコア
ベレス・サルスフィエルド リーベル・プレート 2-1
  • CAベレス・サルスフィエルドがトルネオ・ナシオナルの決勝に進出した。

トルネオ・ナシオナルの決勝戦[編集]

1985年8月28日

ホーム アウェイ スコア
AAアルヘンティノス・ジュニアーズ CAベレス・サルスフィエルド 1 - 1 (3 - 4 p)
  • AAアルヘンティノス・ジュニアーズはグループステージ・ノックアウトステージを通じて無敗で決勝に進出したので、アドバンテージを与えられていた。1試合目で勝てば即優勝決定だが、負けた場合もう1試合戦えるというものである。つまりベレスは最初から2連勝する必要があった。

1985年9月3日

ホーム アウェイ スコア
CAベレス・サルスフィエルド AAアルヘンティノス・ジュニアーズ 1 - 2

決勝[編集]


決勝戦再試合[編集]

得点ランキング[編集]

選手 点数 所属
アルゼンチンの旗 ホルヘ・コマス 12 CAベレス・サルスフィエルド
アルゼンチンの旗 ルイス・アムチャステギ 9 CAリーベル・プレート
アルゼンチンの旗 セルヒオ・アルミロン 8 ニューウェルズ・オールドボーイズ
アルゼンチンの旗 ウンベルト・グティエレス 8 CAサン・マルティン (トゥクマン)
アルゼンチンの旗 ペドロ・パスクリ 8 AAアルヘンティノス・ジュニアーズ
アルゼンチンの旗 ホセ・ペルクダニ 8 CAインデペンディエンテ


脚注[編集]

  1. ^ a b José Carluccio (2011年4月19日). “Argentina: 1ra. División AFA 1985 Campeonato Nacional - Ronda Final”. historiayfutbol. 2022年5月8日閲覧。
  2. ^ Pablo Ciullini, Osvaldo José Gorgazzi. “Argentina 1985”. RSSSF. 2022年5月8日閲覧。
  3. ^ Pablo Ciullini. “Torneo Regional 1985”. RSSSF. 2022年5月8日閲覧。

外部リンク[編集]