モンキーブレッド

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モンキーブレッド
別名 プルアパートブレッド
バブルブレッド
クリスマスモーニングディライズ
種類 パン
ペイストリー
フルコース 朝食
発祥地  ハンガリー
主な材料 強力粉[1]
352 kcal (1474 kJ)
栄養素
(あたり)
タンパク質g
脂肪 15 g
炭水化物 51 g
Cookbook ウィキメディア・コモンズ
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モンキーブレッド: Monkey bread、プラッキングケーキ(Plucking cake)、プルアパートブレッド(Pull-apart bread)、バブルブレッド(Bubble bread)とも)[2]は、アメリカ合衆国朝食用またはご馳走として出されている柔らかくて甘い粘着性のあるペイストリーである。シナモンを振りかけて焼いた柔らかいパン生地から成っている。行事ストリートフェア英語版で出されることが多い[3]

名称[編集]

フォークでつついて食べられているモンキーブレッド

「モンキーブレッド」の語源はこのペイストリーが軽食であったことや消費者が猿のようにパンをつつくところから来ている[2]

起源[編集]

現在、アメリカ合衆国でモンキーブレッドとして最もよく知られているのは実はハンガリーのデザートである「アラニー・ガルシュカ」(「黄金の焼き団子」という意味)である。ハンガリーの文献では1880年代まで遡り、ハンガリー人がアメリカに移住する際にこの料理を持ち込み、20世紀半ばにハンガリー人とアシュケナジムが経営するベーカリーで販売されてからはこの国の食の景観に取り入れられた[4]

1972年にベッツィー・クロッカーが発表した料理本には「アラニー・ガルシュカ」のレシピが含まれており、「ハンガリー・コーヒーケーキ」として紹介されている。アメリカで普及するようになると、「アラニー・ガルシュカ」はシナモンや砂糖ではなくバターだけをつけた丸い生地を入れたモンキーブレッドと混同されるようになる。「モンキーブレッド」は瞬く間にハンガリー系ユダヤ人のデザート向けの一般的な名称となった[5]

このパンのレシピが初めて登場したのが1950年代のアメリカの女性誌や地元の料理本である。1980年代にナンシー・レーガン大統領夫人がこのパンをホワイトハウスのクリスマスの主食に出したことにより、クリスマスにモンキーブレッドを出すことを社会に広めた[6]

準備[編集]

このパンは甘みのある酵母生地(その多くは冷凍)の断片で作られており、始めに溶かしたバターやシナモン、砂糖で別々に包んだ後にフライパンの中で強火で焼かれている。刻んだクルミも頻繁に加えられている[7]。焼き上がった商品を指で容易に引き離した上で手で食べられるようにとの配慮から、伝統的には熱い状態のままで提供される[8]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Monkey bread recipe”. taste.com.au (2015年7月7日). 2018年6月16日閲覧。
  2. ^ a b Olver, Lynne. “The Food Timeline: history notes”. The Food Timeline. 2008年10月4日閲覧。
  3. ^ "House of the Rising Bun". Good Eats. シーズン10. Episode EA1003. 7 April 2006. Food Network
  4. ^ Romanow, Katherine (2011年3月30日). “Eating Jewish: Aranygaluska, or "Hungarian monkey bread"” (英語). Jewish Women's Archive. 2020年12月24日閲覧。
  5. ^ Gil Marks (17 November 2010). Encyclopedia of Jewish Food. HMH. ISBN 978-0-544-18631-6. https://books.google.com/books?id=gFK_yx7Ps7cC 
  6. ^ Atwood, Food for Thought Heather (2016年3月8日). “Remembering Nancy Reagan and her monkey bread” (英語). Salem News. 2020年12月24日閲覧。
  7. ^ Brown, Alton (2006年). “Overnight Monkey Bread”. "Good Eats" Recipes. Food Network. 2007年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年9月10日閲覧。
  8. ^ Boodro, Michael (2003年). “Just Say Dough”. "FOOD" Magazine. The New York Times Company. 2016年9月11日閲覧。

外部リンク[編集]