太陽系辺境空域

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太陽系辺境空域
著者 ラリイ・ニーヴン
訳者 小隅 黎
発行日 1975
発行元 早川書房
ジャンル サイエンス・フィクション
日本
言語 日本語
形態 短編集
コード ASIN: B000J8GM3W
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太陽系辺境空域』(Tales of Known Space: The Universe of Larry Niven)は、1964年から1975年の間に発表された13の短編小説(すべてニーヴンの『ノウンスペース』の未来史)を集めたラリー・ニーヴンのSF作品集であり、ニーヴンによるいくつかのエッセイとノウンスペース年表が収録されている。

日本版目次[編集]

  • 序……わたしの宇宙へ、ようこそ Introduction: My Universe and Welcome to It!(1975年のエッセイ)
  • 「いちばん寒い場所」 "The Coldest Place"(1964年)
  • 「地獄で立ち往生」 "Becalmed in Hell"(1965年)ネビュラ賞1965年年間短編部門ノミネート[1]
  • 「待ちぼうけ」 "Wait It Out" (1968年)
  • 並行進化」 "Eye of an Octopus" (1966年)
  • 英雄ヒーローたちの死」 "How the Heroes Die" (1966年)
  • 「ジグソー・マン」 "The Jigsaw Man" (1967年)ヒューゴー賞1968年年間短編部門ノミネート[2]
  • 「穴の底の記憶」 "At the Bottom of a Hole"(1966年)
  • 詐欺計画罪」 "Intent to Deceive" (1968年年)
  • 無政府公園アナーキー・パークにて」 "Cloak of Anarchy" (1972年)
  • 「戦士たち」 "The Warriors" (1966年)
  • 太陽系ソル辺境空域」 "The Borderland of Sol" (1975年)
  • 「退き潮」 "There Is a Tide" (1968年)
  • 「安全欠陥車」 "Safe at Any Speed" (1967年)
  • あと知恵 Afterthoughts (1975年のエッセイ)
  • ノウンスペース年表 Timeline for Known Space (1975年のエッセイ)
  • 訳者あとがき

文学的意義と受容[編集]

ジョン・クルートの "The Encyclopedia of Science Fiction" でのニーヴン作品の調査の中で、彼はこの一連の作品を「広く、複雑で、異常によく統合された未来史であり、本質的に楽観的で技術主義的な枠組みの中で、宇宙への人類の拡大のための説明的な構造を提供している」と説明している。『太陽系辺境空域』にはノウンスペースの年表が収録されていることは特に注目される点である。[3]

アレステア・レナルズは「未来史」というテーマのエッセイの中で、10代の頃に出会ったこの種の作品の中で最初に読んだのが「ノウンスペース」であり、この作品集を読んだことを覚えていると述べている(タイトルを「Tales from Known Space」と誤記しているが)。レナルズはこの作品を「活気があり、無秩序で、予期せぬ急カーブや急加速に陥りやすい未来の感覚」と表現している。[4] レナルズの最初のSFの試み(Union WorldDominant Species 、いくつかの短編小説)は、ニーヴンの影響を受けた背景に設定されており、それらは出版されていないが、それらの要素は彼の後の小説に組み込まれている。

参考文献[編集]

  1. ^ 1965 Nebula Awards”. 2020年4月1日閲覧。
  2. ^ 1967 Hugo Awards”. 2020年4月1日閲覧。
  3. ^ Niven, Larry”. SF Encyclopedia, 3rd Edition. 2013年1月18日閲覧。
  4. ^ Main influences discussed extensively in Alastair Reynolds, Essay: "Future Histories", Locus, Vol. 57, No. 5, Issue 550, November 2006, p. 39; also included as afterword to Galactic North