跂踵人

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跂踵人(きしょうじん)は中国に伝わる伝説上の人種である。大踵とも。古代中国では北方に位置する国に棲んでいたとされる。

概説[編集]

古代中国の地理書『山海経』の海外北経によると、跂踵国拘纓国の東にあり、跂踵人は人間の姿をしているがとても大きく、特に足が大きいという。

淮南子』の注などによると、跂踵人たちは決して(かかと)を地面につけずに歩くとも伝えられており、爪先だけで立って居る姿を描いた『山海経』の図も確認することが出来る[1]

跂踵人の登場する作品[編集]

鏡花縁
跂踵国が旅の途中に舞台として登場する。跂踵人はぶあつい足をしており、爪先だけでたって歩くとされる。主人公たちの一行は結局この歩き方を遠くから見ただけで上陸はしなかった[2]

脚注[編集]

  1. ^ 馬昌儀『古本山海経図説』下冊 広西師範大学出版社 2007年(中文) ISBN 978-7-5633-6397-1 820頁
  2. ^ 藤林広超訳 『鏡花縁』 講談社 1980年 157頁

参考文献[編集]

  • 『山海経 中国古代の神話世界』高馬三良 訳 平凡社ライブラリー ISBN 4582760341 1994年 129頁

関連項目[編集]

  • 趾行動物 爪先だけを接地させて移動する動物たちのこと。
  • スキアポデス 西欧における伝説上の異国人物の一例。