カーボベルデ軍

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カーボベルデ軍
Forças Armadas Cabo Verdeanas
創設 1975年
派生組織 国家警備隊
沿岸警備隊
指揮官
最高司令官 カーボベルデ共和国大統領
ジョゼ・マリア・ヌヴェス
国防大臣 国防省
ジャニーン・タチアナ・ドス・サントス・レリス
総人員
徴兵制度 選抜徴兵制(14ヶ月)
現総人員 1,200人
財政
予算 1,120 万ドル (2018 年)
軍費/GDP 0.6% (2018)
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カーボベルデ軍(カーボベルデぐん ポルトガル語:Forças Armadas Cabo Verdeanas)は、カーボベルデ軍隊である。

概要[編集]

参謀本部、国家警備隊(陸軍)、沿岸警備隊から構成されている。過去にはAn-26を運用する独立した空軍が存在したが、現在、航空部隊は沿岸警備隊に含まれている。

総兵力は1,200名。

重装備はほとんど保有せず、憲兵隊沿岸警備隊を中心とした編成となっている。国内の治安維持と領海の警備が主な任務となっている。麻薬問題などでは、カーボベルデ警察と共同作戦を行う事もある。

データ[編集]

歴史[編集]

1981年アテネ国際空港で撮影された旧カーボベルデ空軍のAn-26

ポルトガル領時代にはポルトガル軍の小規模な守備隊が配備されていた。

その一方で、1956年に結成されたカーボベルデ出身のアミルカル・カブラル率いるギニア・カーボベルデ独立アフリカ党(PAIGC)に参加するカーボベルデ人も現れた。しかし、その活動地域はギニアビサウが中心であり、ギニアビサウ独立戦争においてカーボベルデが戦場となる事は無かった。なお、PAIGC カーボベルデ支部は、独立後の1981年カーボベルデ独立アフリカ党として分離している。

1975年の独立の際に国軍としてカーボベルデ人民革命軍(Forças Armadas Revolucionarias do Povo, FARP)が創設。上記のPAIGC カーボベルデ支部の軍事部門が前身となった。

1990年代にはFARPから、カーボベルデ軍(Forças Armadas Cabo Verdeanas, FACV)に呼称が変更された。

2000年代にはカーボベルデ警察とともに、カーボベルデを中継地点とするコロンビアからオランダドイツ間の麻薬密輸組織の壊滅作戦2010年まで行われた。

組織・編制[編集]

カーボベルデ国家警備隊の海兵隊員
ミンデロ市内を警備するカーボベルデ国家警備隊の憲兵隊員(2006年

国家警備隊(Guarda National)[編集]

国土の防衛および国内の治安維持を担当する。

地域コマンド(軍管区)[編集]

第1から第3まで、3管区に分割されている。

任務部隊[編集]

  • 憲兵隊
  • 海兵隊
  • 砲兵隊

装備[編集]

小火器
重火器ミサイル
火砲
装甲戦闘車両

沿岸警備隊[編集]

カーボベルデ沿岸警備隊の哨戒艇「P511 グアルディアオ」(手前)。並走しているのはイギリス海軍フリゲートアーガイル

航空部隊と連携して、領海の防衛および国家警備隊に対して海空両方からの支援を担当する。

艦艇[編集]

航空装備[編集]

カーボベルデ沿岸警備隊のDo 228

不祥事[編集]

2016年4月25日、サントドミンゴ市のモンテチョタ駐屯地において、兵士による自動小銃乱射事件が発生。兵士8人と民間人3人(スペイン人2人を含む)が死亡した。発砲した兵士はAK-47武装したまま逃走したが、軍と警察の共同捜査によって2日後に首都プライアで逮捕された。容疑者は懲役35年の実刑判決となった。

ジョルジェ・カルロス・フォンセカ大統領は、事件は政治的な背景によるものではなく、個人的な怨恨によるものと発表した。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • International Institute for Strategic Studies(IISS),The Military Balance 2008

脚注[編集]