シウダーフアレス放射能汚染事故
シウダーフアレス放射能汚染事故は、1984年にメキシコシウダーフアレスに発生した、放射性物質コバルト60の漏洩インシデントである。
民間の医療企業が保有していた、放射線治療用の放射線源であるコバルト60[1]が誤って廃品として取り扱われ、スクラップ工場で鋳物に混入し建材用の鉄筋としてリサイクルされたため、その鉄筋コンクリートを使用した建築物が放射能汚染された[2]。
汚染建材はメキシコを越境しアメリカ国内でも使用されたため、国際的な事故となった[3][4]。
その後、特に汚染のひどい建築物は取り壊され、住人の被ばく量の推定がなされたが、基準を超える数十人を含む6000人以上がこのコバルト60からのガンマ線を浴びるも、明確な健康被害は確認されなかった[5]。
脚注[編集]
- ^ Blakeslee, Sandra (1984年5月1日). “Nuclear Spill At Juarez Looms As One Of Worst”. The New York Times. ISSN 0362-4331. オリジナルの2015年2月8日時点におけるアーカイブ。 2022年2月10日閲覧。
- ^ “México ha exportado 6.000 toneladas de acero contaminado por radiactividad” (スペイン語). El País. (1984年5月3日). ISSN 1134-6582. オリジナルの2022年2月5日時点におけるアーカイブ。 2022年2月5日閲覧。
- ^ Nénot, J.C. (1990). “Overview of the Radiological Accidents in the World, Updated December 1989”. International Journal of Radiation Biology 57 (6): 1073–1085. doi:10.1080/09553009014551201. ISSN 0955-3002. PMID 1971835. オリジナルのMarch 7, 2022時点におけるアーカイブ。 2022年3月6日閲覧。.
- ^ Zuñiga-Bello, P.; Croft, J.R.; Glenn, J. (1998年). “Lessons learned from accident investigations”. IAEA. オリジナルの2022年3月7日時点におけるアーカイブ。 2022年3月6日閲覧。
- ^ Cardona, Valentín (2009年10月3日). “Chihuahua 1984” (スペイン語). www.imagenmedica.mx. 2022年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月7日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 国際原子力機関(IAEA)による事故直後のレポート
- IAEAによる2010年発表の追跡レポート