チャールストン (曲)

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伴奏/コンピング (comping) でよく使われる[1]、チャールストンのリズム[2]

チャールストン」(Charleston:The Charleston[3]、ないしCharleston, South Carolina[4] とも)」は、チャールストン・ダンスの伴奏楽曲として書かれた、ジャズの楽曲。1923年セシル・マック (Cecil Mack) が作詞し、ストライド (stride) のピアノ演奏法をもたらしたジェイムズ・P・ジョンソン (James P. Johnson) が作曲した。 この曲は、アメリカ合衆国の黒人によるブロードウェイ・シアターミュージカルコメディで、1923年10月29日ニューヨークニュー・コロニアル劇場 (New Colonial Theatre) で初演された『Runnin' Wild』で大きく取り上げられた[5]。ジョンソンは、サウスカロライナ州荷役労働者たちの音楽から着想を得て、この曲を書いた。当時は、チャールストンと称されたダンスが流行りはじめていた。歌詞は、チャビー・チェッカー1961年の録音など、一部の例外を除いて、ほとんど歌われることはないが、1900年代において最も優れたソングライターのひとりであったセシル・マックが書いたものである。この曲のドライブ感のあるリズムは、基本的には3:2クラーベソン・クラーベ)の第一小節であり、ジャズで広く用いられるようになっており、ミュージシャンたちの間では、現在もチャールストンという名で呼ばれている。和声的にみると、この曲はラグタイム進行 (ragtime progression) と呼ばれる、I-VI7-II7-V7-I の5つのコードから成っている[6]

ジェームズ・ステュアートドナ・リードが主演した1946年クリスマス映画『素晴らしき哉、人生! (It's a Wonderful Life)』において、学校でのダンスの場面でこの曲が流れている[7]ドリス・デイゴードン・マクレー (Gordon MacRae) が主演した1950年の『二人でお茶を (Tea for Two)』では、この曲が大きく取り上げられる曲のひとつとなっている[7][8]2013年の映画華麗なるギャツビー (The Great Gatsby)』で流れるウィル・アイ・アムの「バン・バン (Bang Bang)」は、この曲の旋律に、ソニー・ボノ (Sonny Bono) の同名異曲(「Bang Bang (My Baby Shot Me Down)」)の歌詞をのせるなどしたものである。

脚注[編集]

  1. ^ Hughes, Fred (2002). The Jazz Pianist: Left Hand Voicings and Chord Theory, p.6. ISBN 9780757993152.
  2. ^ Sharp, Duke (2006). Garage Band Theory, p.305. ISBN 9780976642008.
  3. ^ The Jim Cullum Riverwalk Jazz Collection”. Stanford University Libraries. 2015年1月14日閲覧。
  4. ^ 「シカゴ学派都市社会学のアジア「親密圏」分析への応用可能性― グローバル化の原初理論としてのシカゴ学派社会学」西川知亨(京都大学高等教育研究開発推進センター 研修員)2009年
  5. ^ Runnin' Wild
  6. ^ Weissman, Dick (2001). Songwriting: The Words, the Music and the Money, p.59. ISBN 9780634011603. and Weissman, Dick (1085). Basic Chord Progressions: Handy Guide, p.28. ISBN 9780882844008.
  7. ^ a b Studwell, William Emmett (1994). The Popular Song Reader: A Sampler of Well-Known Twentieth-Century Songs. Routledge. p. 117. ISBN 1-56024-369-4 
  8. ^ The New York Times: Tea for Two (1950)

関連項目[編集]