ティプシーケーキ

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「Cyclopedia of Valuable Receipts」(1897年)のティプシーケーキのレシピにあるイラスト

ティプシーケーキ英語: tipsy cake)は、イギリスデザート

概要[編集]

「ティプシー」には「ほろ酔い」の意味があり、シェリー酒を大量に用いたケーキである[1]。シェリー酒以外にブランデーや甘口のワイン、およびそれらを混合した酒が使われることもあるが、いずれにせよ酒の使用量は多い[1]

シラバブビスケットやクリームを組み合わせる形で18世紀中ごろに誕生し、18世紀後半にイギリスで人気を博した[1]

ティプシーケーキに使用するスポンジケーキは焼き立てを使用するのではなく、数日経ってぼそぼそするようになったものを使用するのもティプシーケーキの特徴であり、スポンジケーキの残り物や再利用目的のレシピとして考案されたとも考えられている[1]

こんにちではイギリスでのティプシーケーキの人気は下火となっているが、アメリカ合衆国南部では食後のデザートや人の集まりなどで提供される菓子として人気がある[1]

類似料理[編集]

ヘッジホッグケーキの例
  • トライフル[1]
  • ヘッジホッグケーキ - ティプシーケーキを楕円形に作り、アーモンドスライスを表面に刺して仕上げたもの。見た目がヘッジホッグ(ハリネズミ)に似ることから。子ども向けには酒をジュースに置き換えるなどの工夫が必要[1]

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g 羽根則子「ティプシー・ケーキ」『イギリス菓子図鑑お菓子の由来と作り方 :伝統からモダンまで、知っておきたい英国菓子135選』(増補改訂)誠文堂新光社、2019年、259頁。ISBN 978-4416619711 
  2. ^ 宮澤諒 (2014年9月9日). “メイド喫茶でメイド漫画を――『シャーリー』原画展に行ってみた。”. ITmedia. 2024年2月16日閲覧。