ノート:アラム文字

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「パフラヴィ語」「パフラヴィ文字」という表現について[編集]

中期イラン語の代表的な文字のひとつ、この項目では現在「パフラヴィ文字」と書かれている文字についてですが、 Pahlavi Script を『言語学大辞典 別冊 世界文字辞典』では「パフラヴィ文字」としているものの、通常これは「パフラヴィー文字」と訳されています。(ジャーレ・アームーズガール, アフマド・タファッゾリー著(山内和也訳)『パフラヴィー語 : その文学と文法』シルクロード研究所, 1997.4.でも「パフラヴィー文字」としている)

元々は中期ペルシア語でパフラウィーグ p`hlwbyk'/ pahlawīg と呼ばれていたようで、近世ペルシア語ではパフラヴィー پهلوى pahlavī と呼ばれており、英語や日本語などでの名称も主に近世ペルシア語での呼び方に準拠しているようです。(近世)ペルシア語では形容詞形を作る語末の ī は通常長母音で発音されることを示し、近年はアラビア語やペルシア語の語彙を仮名に転写する場合も「ー」ではっきり表現する傾向にあります。『世界文字辞典』では「パフラヴィ文字」としていますが、例えば「カローシュティー文字」の「カローシュティー」や「ブラーフミー文字」ように、文字の呼び方はインド語による発音・文字の準拠しており、何故「パフラヴィ」の場合にこのようなやや半端な印象をうける名称にされたのか不明です。何かしら執筆者なりの理由があるのかも知れませんが、それについて項目事態には説明は無さそうですし、「パフラヴィ」という表記が一般的かといえば、そもそもサーサーン朝系の文字自体が一般に認知されているとは言い難いと思います。これらの事から、もし、項目として「パフラヴィー」と「パフラヴィ」のいずれが良いか問われた場合、やはり前者を選んだ方がより適正であると考えます。Haydar 2007年10月13日 (土) 20:44 (UTC)[返信]

文字体系は相互に関連することがあるし、数も多いので、個々の文字体系ごとに推奨される表記を合意しようとすると大変です。また、研究者ごとに異なる表記をしている場合、別の文字体系と考えられているものがたまたま同じ表記になってしまうこともあったりします。
そういうわけで、文字体系名称の表記については、網羅的でかつ信頼できる情報源をひとつ選んで、それを統一基準としたほうがよいとおもっています。
わたしはいままでのところ、『世界文字辞典』に準拠しています。なかには特定の言語/文字体系の専門家から見ると意見がわかれるだろうという表記もありますが、それよりも表記が統一されること、また表記についての議論を省けることのメリットが大きいと考えています。
余談ですが、利用者‐会話:Hatukanezumi/Drafts/文字体系データに『世界文字辞典』で採用している表記の一覧を作成中ですので、参照ください (いまのところ見出し語になっているものだけですが、今後本文中にのみ現れる文字体系名称も加えるつもりです)。 --Hatukanezumi 2007年10月14日 (日) 04:28 (UTC)[返信]
早速のレスをいただいてありがとうございます。Hatukanezumiさんの懸念される問題について自分も充分配慮すべきところと思っております。現状では『世界文字辞典』が一つの基準として有効であることはおおかたの理解が得られるところだと思います。しかしながら、『世界文字辞典』の「パフラヴィ文字」の項目で書かれている通り、執筆者の熊本裕(くまもとひろし)先生は、サーサーン朝時代のペルシア語について「パフラヴィ語」ではなく、本文中で「中期ペルシア語」と表現されており、『言語学大辞典』本編でも「中期ペルシア語」として項目が立てられています。(こちらも熊本先生が執筆)
一方、「サーサーン朝時代のペルシア語」の言語名について、歴史的な名称に基づいて(主にイスラム時代以降の言い方ですが)文字と同じ「パフラヴィー語」あるいは、「中期ペルシア語」とか「中世ペルシア語」など呼ばれています。これらの違いは前者は歴史的な名称に基づく呼称であり、後二者は「サーサーン朝時代のペルシア語」についてハカーマニシュ朝時代のの古代ペルシア語、イスラム時代以降の近世ペルシア語の間にあって中期的な言語上の特徴を有するペルシア語であるため、便宜的に「中期ペルシア語」とか「中世ペルシア語」などと呼ばれます。
辞典編纂にあたってその筋の専門家が多く参加し、項目をそれぞれ執筆しますが、中には殆どの専門家でもいささか妥協し難く首を傾げざるを得ないような表記がされてしまう例もやはりそこそこ見受けられます。その場合、その項目を読む利用者に対してかえって問題のある表記を定着させかねないのではという問題が新たに生じてしまいます。果たしてそっくりその表記を踏襲すべきかどうなのかと。新たにその問題について言及する機会があれば、新たな執筆者はその旨説明を行う必要があるように思います。(自分に近い分野での例では、岩波の『イスラーム辞典』のいくつかの項目で辞書としてその名称を採用したのはどうだろうかと、専門科の先生方で話題になったものがありました)
文字体系名称の表記については、網羅的でかつ信頼できる情報源をひとつ選んで、それを統一基準としたほうがよいとおもっています。わたしはいままでのところ、『世界文字辞典』に準拠しています。なかにはなかには特定の言語/文字体系の専門家から見ると意見がわかれるだろうという表記もありますが、それよりも表記が統一されること、また表記についての議論を省けることのメリットが大きいと考えています。
とのご意見は確かに編集を行う上で大事ではありますが、むしろ、基準となる情報源での表現が微妙であるためにそちらを使った方がかえって混乱を来すような場合、その時々での合意性の高いと思われる名称を採用した方がよりメリットが大きいと個人的には思うのです。wikipediaの主要目的が「随時編集可能なフリー百科事典」にあるとするならば、その種の微妙な問題についても執筆者の裁量である程度の妥当性を導ける可能があるのではと思われるからです。また「表記が統一されること」を第一とするのは良いとして、ただ情報源を一元化し執筆に際して無理に当てはめようとすることにはやや不安を覚えます。そちらの方がかえって無闇に議論を誘発させかねないのではと懸念するからです。もし、『世界文字辞典』の項目通り「パフラヴィ文字」として項目立てを行った場合、既に存在する「パフラヴィー語」との整合性が取れず、また『世界文字辞典』や『言語学大辞典』本文の項目の通りにするのであれば「パフラヴィ文字」と「中期ペルシア語」として名称の変更をしなければならないように思えます。Haydar 2007年10月14日 (日) 14:32 (UTC)[返信]
異分野 (言語学と文字学は「異分野」だとわたしはおもいます) 間での整合性まで考えると調整はほとんど不可能になります。まずは分野ごとに標準化が試みられればいいのではないかとおもいます。ここでの議論は文字学分野の「パフラヴィ文字」に限定してよいのではないかとおもいます。
で、これまでいろいろな記事を見てまわったところでは、表記についての議論に時間を費やしたり、場合によっては編集合戦が起こったりする例も多々見られます。また、文字体系名称をはじめとした記事名自体が独自研究である例も見られます。そういったことに対処するよりも、表記の正当さ (さらにその表記がされる概念自体の著名性や検証可能性) はなんらかの典拠 (この場合は『世界文字辞典』) に預けてしまって、記事を充実させることに力を注ぐほうがメリットがおおきいんじゃないかとおもっているのです。
編集者の裁量は尊重されるべきですが、ある程度のガイドラインはあったほうがいいのかなとおもいます。ただし、個人的には性急に自分の表記基準で統一すべきだともおもっていません。自分の書く記事のなかでその基準を採用するようにしたり、気がついたらこうして話し合うというやりかたですすめています。 --Hatukanezumi 2007年10月14日 (日) 15:02 (UTC)[返信]