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ノート:ハックアンドスラッシュ

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ハックアンドスラッシュの代表例として上げられているテーブルトークRPGに ダンジョンズ&ドラゴンズ(以下D&D)があるものはいかなることか。 D&Dのルールブックを見ればわかることだが、敵を倒したことにより得られる経験値は少なく、 また入手した財宝の価値(=金貨に換算したもの)がそのまま経験値として入手できる点もあり、 「いかにして敵を出し抜いて財宝を手に入れるか」といったところに重きが置かれているゲームだと言うのがわかる。 (これは日本で発売されたD&Dの入門書にも書かれていることである) したがって、例としてD&Dを取り上げるのはふさわしくないのではないかと思われる。

D&Dファンとしては残念なことだが、「如何にして財宝を手に入れるか」という方法に関して、ルールで規定されている最も安易で確実な方法が「レベルを上げて装備を強化し、出会ったモンスターを片っ端から斃す」ことなので仕方が無い。つまりルール上モンスターを斃すと財宝(=経験点)が得られること、経験点を得てレベルを上げるとどんどん強くなっていくこと、が問題なのである。
恐らくはハックアンドスラッシュを防ぐ為に設けられたのであろう「必ずしも戦う必要は無く最終的に財宝を得られれば経験点となる」というルールが、その意図通りには機能しなかったのである。つまりは「モンスター=財宝=経験点」という見解が可能であり、その見解に従う限りハックアンドスラッシュが最善手となるルールなのだ。PCが充分に強ければ。
さあ、やるべきことは一つだ。PCを強くしよう。その為には………
あるいはだからこそ、入門書やベーシックルールブックに「戦う必要は無い」とわざわざ書いてあったのではなかろうか。短絡的にハックアンドスラッシュに陥らないように。
だが残念ながら、世界で最初に出版された「当時唯一の」RPGでありイコール既存のテーブルゲームとは画期的に異なったD&Dとその市場は、ルール的にもプレイヤーやDMといった人的資源的にも未熟であった。結果として、多くのユーザーが短絡的にハックアンドスラッシュに陥ることを防ぐことが出来なかったのである。
その要因が(ユーザーが愚かであったという水掛け論を除くと)ルールがハックアンドスラッシュ用になっていたからだ看做されるのは、仕方が無いことである。
実際、D&D以後に発売されたRPGの中には、ルール的に(=ユーザーが未熟であっても)ハックアンドスラッシュに陥らないようにする工夫がなされているものが存在し、実際それらはハックアンドスラッシュのスタイルで遊ぶには無理がある。
ハックアンドスラッシュは厳密にルール化されている範囲内のみの為、仕組みがわかり易く、そして強くなるのは単純に楽しい。それを許すルールにしてしまった以上、当時未分化だったRPGの先駆者であるD&Dが「ある種の汚名」をかぶるのも仕方が無いのではなかろうか。逆に、ハックアンドスラッシュを含めた全てのRPGの始祖であるのだから。
ハックアンドスラッシュの始祖だなどと、唾棄したい名誉かも知れないが。(苦笑)
世界最狂の魔法使いCray-G 2009年5月27日 (水) 11:44 (UTC)[返信]