マラバ・コーヒー

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作業場
選別作業中の女性

マラバ・コーヒー(英語: Maraba coffee, ルワンダ語: Ikawa ya Maraba, フランス語: Café de Maraba)は、アフリカルワンダ共和国南部のマラバ英語版地域で栽培されているコーヒー

説明[編集]

マラバ・コーヒーの木はアラビカコーヒーノキのブルボン亜種であり、高標高の肥沃な火山性土壌で栽培されている。大部分の果実は3月から5月の雨季に摘まれ、マラバ地域にある洗浄場に持ち込まれる。コーヒー豆が取り出されて乾燥され、何段階かに分けて品質別に区分される。農家は提供したコーヒー豆の収穫量と品質に応じて手当てを貰う。

コーヒー豆はさまざまな焙煎会社に販売される。最高品質の豆はイギリスのユニオン・コーヒー・ロースターズ(Union Coffee Roasters)に販売されてフェアトレード認定コーヒーとなったり、アメリカのコミュニティ・コーヒー英語版に販売される。ルワンダ・スペシャルティ・コーヒー・ロースターズもマラバ地域からコーヒー豆を買い付けており、ルワンダの国内市場で販売している。マラバ・コーヒーの豆は醸造されてビールとなることもある。

1999年に設立されたアバフザムガンビ協同組合の下で約2000の小規模農家がコーヒーの木を育てている。2000年以後、協同組合はルワンダ国立大学(NUR)とPEARL(連鎖を通じてルワンダの農業を向上させるための組合)の支援を受けている。アバフザムガンビ協同組合は珈琲の質を向上させ、特定の市場に浸透している。

地理と気候[編集]

マラバの位置(アフリカ内)
マラバ
マラバ
ルワンダのマラバ地域

ルワンダ共和国東アフリカに位置し、赤道よりやや南にある小規模な国である。南部州の南部、ブルンジとの国境にも近い旧ブタレ県にマラバ地域がある。おおよその座標は南緯2度35分・東経29度40分、南部州の最大都市であるブタレからの距離は約12km、ルワンダの首都キガリからの距離は150kmである。

プロジェクト始動時のマラバ地域はブタレ県に位置していたが、ルワンダでは2006年に地方行政区画の再編が行われ[1]、マラバ地域は南部州フエ(Huye)地区の一部となった。アフリカ大陸を南北に縦断する大地溝帯の西リフト・バレーに近いため丘陵上にあり、豊かな火山性土壌を有している[2]。コーヒーの木は標高1700-2100メートルの丘陵上で栽培され[2]、テラス式畑の急斜面で栽培されている場所もある。年間の降水量は平均1150mmである[3]。降水量の大半は3月-5月の雨季に降り[4]、この時期がコーヒー豆の収穫期となっている。標高が高いため平均気温は約20度に抑えられ、赤道までわずか200kmながらわずかな季節変動も見られる。

脚注[編集]

  1. ^ Provinces of Rwanda Statoids.com
  2. ^ a b Information from label on the back of the coffee packet
  3. ^ Rwanda Climate ネイションズ・エンサイクロペディア
  4. ^ Rwanda map and information page WorldAtlas.com

関連項目[編集]

外部リンク[編集]