リュウグウヒメエビ

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リュウグウヒメエビ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 甲殻亜門 Crustacea
: 軟甲綱(エビ綱) Malacostraca
: 十脚目(エビ目) Decapoda
亜目 : 抱卵亜目(エビ亜目) Pleocyemata
下目 : コエビ下目 Caridea
: ヌマエビ科 Atyidae
亜科 : ヒメヌマエビ亜科 Atyinae
: ヒメヌマエビ属 Caridina
: リュウグウヒメエビ
C. laoagensis
学名
Caridina laoagensis,
(Blanco, 1939)
和名
リュウグウヒメエビ

リュウグウヒメエビC. grandirostris)はヌマエビ科に分類される淡水性のエビの一種。日本では神奈川県~南西諸島にかけて記録がある。近年の研究により琉球列島には本種に類似した種が複数存在することが指摘されている。

分布[編集]

日本国内では、神奈川県[1][2]静岡県[2]徳之島久米島与那国島沖縄島渡嘉敷島石垣島西表島に分布する[3]

国外では、台湾フィリピンなどで見つかっている[1][3]

形態[編集]

頭胸甲長10 mm[3]体長37 mm程度[1][3]。額角の長さは第1触角柄部第1節を超え第2節の中間に達し、側面からみると先端に向けてわずかに下方を向く。その上縁に9~22本の歯があるが頭胸甲上には歯がない。下縁には1~6本の歯がある[1]。頭胸甲は眼上棘(複眼の上の棘)がなく、前側角(眼と触角の下、口の横に突き出た部分)も棘にならず丸みを帯びる[1][3]。尾節先端には、内側に4本の羽状剛毛と外側に2本の棘をもち、外側から2つ目の棘は明らかに短い[1]。第1胸脚腕節の長さは、ハサミより短く、その長さは前縁幅の約1.3倍で、前縁は凹む。胸脚腕節はハサミや長節よりわずかに長い。第5胸脚指節は長く、前節は指節の約4倍[1][3]。頭胸甲や[1]腹節下部に黒色の斑点が並び[1][3]、体色は透明[3]

生態[編集]

河川の下流から中流に[3][1]、植物の下などに生息する。抱卵期は5~11月で、直径0.4~0.5㎜の卵を、500~4500個産む。両側回遊型[1]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k 豊田幸詞 『日本産 淡水性・汽水性 エビ・カニ図鑑』 緑書房、2019年、48頁 ISBN 978-4-895-31391-9
  2. ^ a b 丸山智朗「神奈川県および伊豆半島の河川から採集された 注目すべき熱帯性コエビ類5種」『神奈川自然誌資料』第38号、2017年、33・34頁。 https://nh.kanagawa-museum.jp/www/pdf/nhr38_029_035maruyama.pdf
  3. ^ a b c d e f g h i 豊田幸詞、関慎太郎 『ネイチャーウオッチングガイドブック 日本の淡水性エビ・カニ 日本産淡水性・汽水性甲殻類102種』 誠文堂新光社、2014年、31頁 ISBN 978-4-416-71350-1