少年アヤ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
少年アヤ
(しょうねんアヤ)
ペンネーム 少年アヤ
誕生 (1989-12-03) 1989年12月3日(34歳)[1]
活動期間 2014年 -
代表作 『尼のような子』
デビュー作 尼のような子(2014年)
テンプレートを表示


少年アヤ(しょうねん アヤ、1989年12月3日 - )は日本の作家・エッセイスト。 自身のセクシャリティーやジェンダーアイデンティティに関する事柄を赤裸々に著す。児童文学なども手がける。

略歴[編集]

ブログ『尼のような子』で注目を浴び、2014年にブログを元にしたエッセイ集『尼のような子』が出版される[2]。以降、雑誌やウェブ上でエッセイや私小説の連載を手がけるようになる。

評価[編集]

  • 内澤旬子は『尼のような子』について「卓越した自己分析から繰り出す残酷な客観化と滑稽化と、美しく切ない隠喩が絶妙のタイミングで交錯する、そんな華麗にして秀逸な文章」と評する[3]
  • 武田砂鉄は「この著者のエッセー集が刊行されるたび、ゆっくり読みふける」「記憶をとても大切にし、そして、育てている」と述べている[4]

人物[編集]

  • セーラームーン、サンリオ、ファンシーグッズが好き。
  • 美大出身。イラストレーターのanccoは美大時代の友人[5]。2020年の著書『ぼくの宝ばこ』の装画・挿画はanccoが手掛けている[6]
  • ノンバイナリーであることを公表している。19歳から24歳までは「オカマ」を自称していたが、「焦心日記」の執筆を期にやめている。ブログでは「理由はいろいろあって、自分のことを投げやりでいるのがしんどくなったのと、自虐的な態度や、いがいがをまとったような言動を繰り返しすうち、あらゆる感覚が鈍化し、自分の本心や、発するべき言葉がなんなのかもわからなくなっていたからです」と綴る。その様にして、回復し自由になった部分もあったが、依然として漠然とした違和感があった。しかし、30歳の時に、ノンバイナリーについて友人から教えてもらい自認することで、自身の抱える感覚をそのまま肯定することができたと語る[7][8]
  • 書くことは自分にとっての「調律」と答えている[9]

書籍[編集]

  • 尼のような子 (2014年3月、祥伝社ISBN 978-4-396-46044-0
  • 少年アヤちゃん焦心日記(2014年7月、河出書房新社ISBN 978-4-309-02307-6
    • 焦心日記〈河出文庫〉(2018年10月)ISBN 978-4-309-41637-3 ※改題し文庫化
  • 果てしのない世界め(2016年12月、平凡社ISBN 978-4-582-83743-8
  • ぼくは本当にいるのさ(2018年9月、河出書房新社)ISBN 978-4-309-02727-2
  • なまものを生きる(2019年6月、双葉社ISBN 978-4-575-31463-2
  • ぼくの宝ばこ(2020年5月、講談社ISBN 978-4-06-519233-7
  • ぼくをくるむ人生から、にげないでみた1年の記録(2021年3月、双葉社)ISBN 978-4-575-31611-7
  • うまのこと(2022年11月、光村図書出版ISBN 978-4-8138-0420-8

雑誌連載[編集]

  • ROLa
    • 少年アヤの女子の文明論(2013年 - 2014年、新潮社[10]
    • 私帝国(2014年12月 - 2016年3月)
  • Zipper 美少女ふみちゃんと少年アヤちゃんの往復書簡(2013年、祥伝社)
  • an・an 少年アヤちゃんのふぁんし〜新聞(2013年 - 2014年、マガジンハウス
  • ハツキス ロマンチック・ア・サンデー(2014年 - 2019年、講談社
  • yom yom あれの・花園(2015年春 - 2016年6月号、新潮社)
  • 飛ぶ教室 うまのこと(2019秋vol.59 - 2021春vol.65、光村図書出版

WEB連載[編集]

  • AM 「少年アヤちゃんが行く 恋の東京散歩」(2012年11月 - 2013年9月、メディアーノ)[11]
  • ココロニプロロ (cocoloni)
    • “できれば”幸せになりたい(2012年12月 - 2013年6月)[12]
    • 少年アヤちゃんの駆け込み沼(2013年6月 - 12月)[13]
  • 河出ウェブマガジン「オカマ抱かないと地球が爆発するみたいな流れにならないかな 少年アヤちゃん焦心日記」(2013年5月 - 2014年5月、河出書房新社[14]
  • ウェブ平凡 「ホーム・スイート・ホーム」(2014年11月、平凡社[注釈 1]
  • cakes 「ぼくは本当にいるのさ」(2018年)[16]
  • 双葉社web文芸マガジン COLORFUL(双葉社
    • なまものを生きる(2018年 - 2019年2月)[17][18]
    • よい人生、ぼくをくるむ(2019年9月 - 2020年8月)[17][19]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 『果てしのない世界め』として2016年に単行本化[15]

出典[編集]

  1. ^ 少年アヤちゃんの「“できれば”幸せになりたい」スペシャル”. ココロニプロロ. cocoloni (2013年6月7日). 2024年3月7日閲覧。
  2. ^ 少年アヤ プロフィール - cakes”. 2021年5月12日閲覧。
  3. ^ 少年アヤ『尼のような子』書評 残酷な客観視に光る美しい隠喩”. 好書好日. 朝日新聞社 (2018年6月8日). 2024年2月6日閲覧。
  4. ^ 『ぼくの宝ばこ』(講談社)”. ALL REVIEWS (2020年10月2日). 2024年3月7日閲覧。
  5. ^ サマーハズカム”. 装苑online. 文化学園文化出版局 (2014年6月19日). 2014-06-25-時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月7日閲覧。
  6. ^ ancco [@ancccoo] (2020年5月14日). "ぼくの宝ばこ 少年アヤ著". X(旧Twitter)より2024年3月7日閲覧
  7. ^ ◯ ぼくの宝ばこ ◯” (2020年5月29日). 2024年3月7日閲覧。
  8. ^ 少年アヤ(インタビュアー:日下淳子)「少年アヤさん『うまのこと』インタビュー「女の子でも男の子でもない」が許される社会へ、次世代に託す初小説」『好書好日』、朝日新聞社、2023年3月4日https://book.asahi.com/article/14845671 
  9. ^ 「片手間」の優しさは傲慢にならないため”. 日経xwoman. 日経BP社 (2020年1月20日). 2024年3月7日閲覧。
  10. ^ セーラームーン秘話満載、武内直子に11年ぶりインタビュー”. マイナビニュース. マイナビ (2013年8月1日). 2024年1月9日閲覧。
  11. ^ 少年アヤちゃんが行く 恋の東京散歩”. AM. メディアーノ. 2024年3月7日閲覧。
  12. ^ 少年アヤちゃんの「“できれば”幸せになりたい」連載一覧”. ココロニプロロ. cocoloni (2012年10月11日). 2024年3月7日閲覧。
  13. ^ 少年アヤちゃんの駆け込み沼 連載一覧”. ココロニプロロ. cocoloni (2013年12月6日). 2024年3月7日閲覧。
  14. ^ 【満員御礼】8月2日 少年アヤ『少年アヤちゃん焦心日記』出版記念トーク&サインイベント”. 河出書房新社 (2014年7月8日). 2024年3月7日閲覧。
  15. ^ 少年アヤ『果てしのない世界め』特別寄稿企画”. トーチweb. リイド社. 2024年3月7日閲覧。
  16. ^ 少年アヤ プロフィール - cakes”. cakes. 2020年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月12日閲覧。
  17. ^ a b 著者紹介 少年アヤ”. COLORFUL. 双葉社. 2024年3月7日閲覧。
  18. ^ エッセイ・コラム なまものを生きる”. COLORFUL. 双葉社. 2024年3月7日閲覧。
  19. ^ エッセイ・コラム よい人生、ぼくをくるむ”. COLORFUL. 双葉社. 2024年3月7日閲覧。

外部リンク[編集]