谷口由美子

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谷口 由美子(たにぐち ゆみこ、1949年(昭和24年)1月9日[1] - )は、日本翻訳家。主にアメリカ児童文学の翻訳を行っている。本名、玉田由美子[1]

山梨県甲府市出身[2]上智大学外国語学部英語学科卒業[3]。大学4年のときに米国セント・メアリ・カレッジ英語版へ留学[2][注釈 1]。卒業後、文部省[2]勤務等[注釈 2]を経て、1974年ローラ・インガルス・ワイルダー作品の精神的風土を歴訪する旅を行った[3]のちに、翻訳活動に専念。ワイルダーやビバリー・クリアリーなどの児童文学の翻訳が多い。

著書[編集]

構成・訳・文[編集]

  • 『サウンド・オブ・ミュージックの世界――トラップ一家の歩んだ道』ウィリアム・T・アンダーソン文、谷口由美子構成・訳・文、デイヴィッド・ウェイド写真(求龍堂、1995年)
  • 『大草原の小さな家――ローラのふるさとを訪ねて』ウィリアム・T・アンダーソン文、谷口由美子構成・訳・文、レスリー・A・ケリー写真(求龍堂〈求龍堂グラフィックス〉 新装版、1995年/増補改訂版、2013年)

主な翻訳[編集]

ビバリー・クリアリー作品(全・あかね書房

  • 『子ねずみラルフのぼうけん』(1976年)
  • 『子ねずみラルフ第二のぼうけん』(1977年)
  • 『ヘンショーさんへの手紙』(1984年)
  • 『子ねずみラルフ家出する』(1985年)
  • 『リー・ボッツの日記――走れ、ストライダー』(1993年)
ローラ・インガルス・ワイルダー作品

ローラ物語(全5巻・岩波少年文庫、2000年)

  1. 長い冬
  2. 大草原の小さな町
  3. この楽しき日々
  4. はじめの四年間』(初刊:岩波書店、1975年)
  5. わが家への道――ローラの旅日記[注釈 3](初刊:岩波書店、1983年)

ワイルダー作品・その他

  • 『大草原のおくりもの――ローラとローズのメッセージ』ローズ・ワイルダー・レイン共著、ウィリアム・T・アンダーソン編(角川書店、1990年)
  • 『《絵本・大草原の小さな家 1》おおきなもりのふゆ』(文渓堂、1996年)絵:ルネ・グレーフwikidata
  • 『ようこそローラのキッチンへ――ロッキーリッジの暮らしと料理』ウィリアム・T・アンダーソン共著、レスリー・A・ケリー写真(求龍堂、1996年)
  • 『《絵本・大草原の小さな家 4》まちへいく』(文渓堂、1997年)絵:ルネ・グレーフ
  • 『大草原の旅はるか』(世界文化社、2007年)
  • 『大草原のローラ物語――パイオニア・ガール』パメラ・スミス・ヒルwikidata解説・注釈(大修館書店、2018年)
その他
  1. 『秘密の花園1――ふきげんな女の子』
  2. 『秘密の花園2――動物と話せる少年』
  3. 『秘密の花園3――魔法の力』

など多数。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 出典に記載の「セント・メアリ・カレッジ」と同名の教育機関は米国内に複数あるが(英語版のSaint Mary's Collegeの項目を参照)、カンザス州にある大学とのことである[3]
  2. ^ 大学卒業後、英語関係の仕事に就いていたとのことであり、当時はアメリカ児童文学の翻訳との二足のわらじを履いていたと記されている[3]
  3. ^ ローズがのちに書いた当時のワイルダー家の生活の記録が含まれる点で、ローズが共著者にあたる。

出典[編集]

  1. ^ a b 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.456
  2. ^ a b c 山梨県公共図書館協会地域資料研究部会 編「た行の部」『山梨県人物資料リスト』(令和4年度版)山梨県立図書館、2023年3月、た行 8頁https://navi.lib.pref.yamanashi.jp/country/r4-ta.pdf#page=8 
  3. ^ a b c d 谷口由美子「《四季散策(随想)》ローラへの旅」『月刊 教育じほう』通巻第511号、東京都新教育研究会、1990年8月、12-15頁、NDLJP:6042302/8