クリミアの首長

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クリミアの首長（クリミアのしゅちょう）は、ロシア連邦内クリミア共和国における政府の最高位の官職。

2014年のクリミア共和国憲法（ロシア語版）では首長の任期は5年で、再任は許されていない（第62条）。30歳以上のロシア国民であることが必須条件で、就任には国務院（英語版）（議会）の承認を要する（第62条）。また、ロシア連邦大統領は首長を任期を待たずに解任することができる（第66条）。行政府の長である閣僚会議議長（首相）は首長が国務院の同意を得た上で任命する（第82条）。

歴代首長一覧[編集]

ロシアがクリミアを編入する条約に調印した時点で、クリミアの最高位は国家会議議長であった。

代 肖像 氏名 就任日 退任日 政党 備考
クリミア人民共和国 政府長[1]
1 ノーマン・チェレビジハン 1917年12月10日 1918年1月 ミッリ・フィルカ（ロシア語版）
タヴリダ・ソビエト社会主義共和国 中央執行委員会議長（ロシア社会主義連邦ソビエト共和国施政下）[2]
1 ジャン・ミレル（ロシア語版） 1918年3月 1918年4月 ロシア共産党（ボリシェヴィキ）
第一次クリミア地方政府（ウクライナ語版） 首相（ ドイツ帝国軍が擁立）[3]
1 マツェイ・スリケヴィチ（ロシア語版） 1918年6月25日 1918年11月15日
第二次クリミア地方政府（ウクライナ語版） 首相[3]
1 ソロモン・クルィム（ロシア語版） 1918年11月15日 1919年4月 立憲民主党
クリミア・ソビエト社会主義共和国 人民委員会議議長（ ロシア社会主義連邦ソビエト共和国施政下）[4]
1 ドミトリー・ウリヤノフ 1919年5月5日 1919年6月26日 ロシア共産党（ボリシェヴィキ）
クリミア革命委員会議長（ ロシア社会主義連邦ソビエト共和国施政下）[5]
1 ベーラ・クン 1920年11月26日 1921年2月20日 ロシア共産党（ボリシェヴィキ）
2 ミハイル・ポリャコフ（ロシア語版） 1921年2月20日 1921年11月7日 ロシア共産党（ボリシェヴィキ）
クリミア自治ソビエト社会主義共和国[注 1] 中央執行委員会議長（ ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国施政下）[7]
1 ユーリー・ガヴェン（ロシア語版） 1921年11月7日 1924年8月 ロシア共産党（ボリシェヴィキ）
2 ヴェリ・イブライモフ（ロシア語版） 1924年8月 1928年1月28日 ロシア共産党（ボリシェヴィキ）
3 メメト・クバエフ 1928年1月28日 1931年2月20日 全連邦共産党（ボリシェヴィキ）
4 イリヤス・タルハン 1931年2月20日 1937年9月9日 全連邦共産党（ボリシェヴィキ）
5 アブドゥル＝ジェリリ・メンバリエフ 1937年9月9日 1938年7月21日 全連邦共産党（ボリシェヴィキ）
クリミア自治ソビエト社会主義共和国 最高会議幹部会議長（ ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国施政下）[7]
1 アブドゥル＝ジェリリ・メンバリエフ 1938年7月21日 1944年5月18日 全連邦共産党（ボリシェヴィキ）
代行 N・I・サチョーヴァ 1944年5月18日 1945年6月30日 全連邦共産党（ボリシェヴィキ）
クリミア州[注 2] ソビエト執行委員会議長（ ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 / ウクライナ・ソビエト社会主義共和国の旗 ウクライナ・ソビエト社会主義共和国施政下）[8]
1 アレクサンドル・カバノフ（ロシア語版） 1945年6月30日 1946年4月 全連邦共産党（ボリシェヴィキ）
2 ドミトリー・クリヴォシェイン（ロシア語版） 1946年4月 1949年6月10日 全連邦共産党（ボリシェヴィキ）
3 ヴァシリー・ニカノロフ（ロシア語版） 1949年6月10日 1949年12月12日 全連邦共産党（ボリシェヴィキ）
4 セルゲイ・ポストヴァロフ（ロシア語版） 1949年12月12日 1952年9月23日 全連邦共産党（ボリシェヴィキ）
5 ドミトリー・ポリャンスキー 1952年9月23日 1954年2月16日 ソビエト連邦共産党
6 ミハイル・クジメンコ（ロシア語版） 1954年2月16日 1956年6月 ソビエト連邦共産党
7 イヴァン・フィリッポフ（ロシア語版） 1956年6月 1959年10月9日 ソビエト連邦共産党
8 ウラジーミル・ドルジニン 1959年10月9日 1963年1月12日 ソビエト連邦共産党
クリミア産業州ソビエト執行委員会議長（ ウクライナ・ソビエト社会主義共和国施政下）[8]
1 ウラジーミル・ドルジニン 1963年1月12日 1964年12月7日 ソビエト連邦共産党
クリミア村州ソビエト執行委員会議長（ ウクライナ・ソビエト社会主義共和国施政下）[8]
1 ニコライ・モイセーエフ（ロシア語版） 1963年1月12日 1964年12月7日 ソビエト連邦共産党
クリミア州 ソビエト執行委員会議長（ ウクライナ・ソビエト社会主義共和国施政下）[8]
9 ウラジーミル・ドルジニン 1964年12月7日 1965年12月7日 ソビエト連邦共産党
10 トロフィム・チェモドゥロフ（ロシア語版） 1966年1月18日 1979年12月21日 ソビエト連邦共産党
11 ユーリー・バフチン（ロシア語版） 1979年12月21日 1985年4月13日 ソビエト連邦共産党
12 アレクサンドル・ロシチュプキン（ロシア語版） 1985年4月13日 1989年12月27日 ソビエト連邦共産党
13 ヴィタリー・クラシク（ウクライナ語版） 1989年12月27日 1991年3月22日 ソビエト連邦共産党
クリミア自治共和国 大統領（ ウクライナ施政下）[9]
1 ユーリー・メシコウ（ウクライナ語版） 1994年2月 1995年3月
クリミア共和国 国家会議議長（ロシアの旗 ロシア施政下）
1 ウラジーミル・コンスタンチノフ（英語版） 2014年3月17日 2014年4月14日[注 3] 地域党
クリミア共和国 首長（ロシアの旗 ロシア施政下）
代行 セルゲイ・アクショーノフ 2014年4月14日 2014年10月9日 ロシア連合（英語版）
統一ロシア（2014年6月〜） 		首相と兼任。
1 2014年10月9日 （現職）

ソ連時代の事実上の首長[編集]

代 肖像 氏名 就任日 退任日 備考
ロシア共産党（ボリシェヴィキ）/ 全連邦共産党（ボリシェヴィキ）[注 4]クリミア州委員会 責任書記[11]
1 ロザリヤ・ゼムリャチカ（ロシア語版） 1920年11月20日 1921年1月6日
2 アドリフ・リデ（ロシア語版） 1921年1月6日 1921年3月13日
3 イヴァン・アクーロフ（ロシア語版） 1921年3月28日 1921年11月6日
4 アブラム・イズライロヴィチ（ロシア語版） 1921年11月6日 1922年10月24日
5 ニコライ・ウフィムツェフ（ロシア語版） 1922年10月25日 1924年5月13日
6 イヴァン・ノソフ（ロシア語版） 1924年5月16日 1925年6月
7 セルゲイ・ペトロパヴロフスキー（ロシア語版） 1925年8月7日 1927年8月30日
8 ドミトリー・ジヴォフ（ロシア語版） 1927年9月 1929年12月17日
9 ニコライ・コズロフ（ロシア語版） 1929年12月17日 1930年5月11日
10 アイカズ・コスタニャン 1930年5月12日 1930年12月
11 エヴゲニー・ヴェゲル（ロシア語版） 1930年12月 1931年5月6日
全連邦共産党（ボリシェヴィキ）/ ソビエト連邦共産党[注 5] / ウクライナ共産党クリミア州委員会[注 6] 第一書記
11[11] エヴゲニー・ヴェゲル（ロシア語版） 1931年5月6日 1933年2月3日
12[11] ボリス・セミョーノフ（ロシア語版） 1933年2月3日 1936年12月28日
13[11] ラヴレンチー・カルトヴェリシュヴィリ 1936年12月28日 1937年7月14日
14[11] ニコライ・シチュチュキン（ロシア語版） 1938年7月 1938年10月10日 1937年7月14日から1938年7月まで代行。在任中に死去。
15[11] ウラジーミル・ブラトフ（ロシア語版） 1939年1月28日 1944年6月14日
16[11] パーヴェル・チュリャエフ（ロシア語版） 1944年6月14日[11] 1946年7月30日[8]
17[8] ニコライ・ソロヴィヨフ（ロシア語版） 1946年7月30日 1949年8月7日
18[8] パーヴェル・チトフ（ロシア語版） 1949年8月7日 1954年1月16日
19[8] ドミトリー・ポリャンスキー 1954年1月16日 1955年12月14日
20[8] ヴァシリー・コミャホフ（ロシア語版） 1955年12月14日 1961年1月6日
21[8] イヴァン・ルタク（ロシア語版） 1961年1月6日 1963年1月
ウクライナ共産党クリミア産業州委員会 第一書記[8]
1 ニコライ・スルキン（ロシア語版） 1963年1月11日 1964年12月4日
ウクライナ共産党クリミア村州委員会 第一書記[8]
1 イヴァン・ルタク（ロシア語版） 1963年1月9日 1964年12月4日
ウクライナ共産党クリミア州委員会 第一書記[8]
22 イヴァン・ルタク（ロシア語版） 1964年12月4日 1967年4月5日
23 ニコライ・キリチェンコ（ロシア語版） 1967年4月5日 1977年7月1日
24 ヴィクトル・マカレンコ（ロシア語版） 1977年7月1日 1987年6月13日
25 アンドレイ・ギレンコ（ロシア語版） 1987年6月13日 1989年9月25日
26 ニコライ・バグロフ（ロシア語版） 1989年9月25日 1991年4月10日[12]
27[12] レオニード・グラチ（ロシア語版） 1991年2月12日 1991年4月10日

ウクライナによる常駐大統領代理者[編集]

2014年以降、ウクライナはクリミア半島の統治権を事実上失ったが、1994年以降指定されている常駐大統領代理者（英語版）という役職は継続され、名目上はクリミア半島を統治する人物が指名され続けている。

代 肖像 氏名 就任日 退任日 所属
13 セルヒー・クニツィン（英語版） 2014年2月27日 2014年3月26日 無所属
代行 ヴォロディーミル・デクチャリョフ 2014年3月26日 2014年4月29日
14 ナタリア・ポポヴィッチ 2014年5月22日 2017年8月17日 無所属
15 ボリス・バビン（英語版） 2017年8月17日 2018年12月2日 無所属
代行 イゼット・ハダノフ（英語版） 2018年12月2日 2019年6月25日
16 アントン・コリネビッチ（英語版） 2019年6月25日 2022年4月25日
17 タミラ・タシェバ（英語版） 2022年4月25日 （現職）

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 1921年10月18日から1945年6月30日まで存在し、1936年12月1日まではクリミア自治社会主義ソビエト共和国[6]。
  2. ^ 1945年6月30日から1991年2月12日まで存在し、1954年2月19日にロシアからウクライナへ移管（ロシア語版）[8]。
  3. ^ 元首格の職位が国家会議議長から首長へと変わっただけで、コンスタンチノフ自身はその後も国家会議議長を務めている。
  4. ^ 1925年12月31日に全連邦共産党（ボリシェヴィキ）へ改称[10]。
  5. ^ 1952年10月にソビエト連邦共産党へ再改称[8]。
  6. ^ 1954年2月19日にソビエト連邦共産党からウクライナ共産党へ移管（ロシア語版）[8]。

出典[編集]

  1. ^ “Крымско-Татарское национальное правительство”. ХРОНОС. 2018年4月10日閲覧。
  2. ^ “Миллер Жан Августович (Šepte Jānis)”. Справочник по истории Коммунистической партии и Советского Союза 1898 - 1991. knowbysight.info. 2018年4月10日閲覧。
  3. ^ a b “Крымское краевое правительство”. ХРОНОС. 2018年4月10日閲覧。
  4. ^ Крымская Советская Социалистическая Республика // Гражданская война и военная интервенция в СССР. Энциклопедия. М. 1983.
  5. ^ “Революционный комитет Крыма”. Справочник по истории Коммунистической партии и Советского Союза 1898 - 1991. knowbysight.info. 2018年4月10日閲覧。
  6. ^ “Крымская Автономная Социалистическая Советская Республика”. Справочник по истории Коммунистической партии и Советского Союза 1898 - 1991. knowbysight.info. 2018年4月10日閲覧。
  7. ^ a b “Высшие органы государственной власти Крымской АССР”. Справочник по истории Коммунистической партии и Советского Союза 1898 - 1991. knowbysight.info. 2018年4月10日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “Крымская область”. Справочник по истории Коммунистической партии и Советского Союза 1898 - 1991. knowbysight.info. 2020年4月19日閲覧。
  9. ^ “Первый президент Крыма выступил за его независимость”. Lenta.ru（ロシア語版）. (2014年1月29日). https://lenta.ru/news/2014/01/29/crimea/ 2018年4月11日閲覧。 
  10. ^ “Якутский областной комитет РКП(б) - ВКП(б) - КПСС - Якутский республиканский комитет КП РСФСР”. Справочник по истории Коммунистической партии и Советского Союза 1898 - 1991. knowbysight.info. 2020年4月19日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g h “Крымский областной комитет РКП(б) - ВКП(б)”. Справочник по истории Коммунистической партии и Советского Союза 1898 - 1991. knowbysight.info. 2020年4月19日閲覧。
  12. ^ a b “Крымская Автономная Советская Социалистическая Республика”. Справочник по истории Коммунистической партии и Советского Союза 1898 - 1991. knowbysight.info. 2020年4月19日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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